美輪明宏の半生を元にした野田秀樹演劇
前半は笑いっぱなし、後半は割と重い展開
美輪明宏の半生を元にしている話なんだけど、展開は破天荒、下ネタ的なものも多いけど、野田秀樹演劇の中では分かり易い。
美輪明宏、MIWAは宮沢りえ、そしてその半身とも言うべきもう一つの性、安藤牛乳(アンドロギュヌス)が古田新太。見た目は美輪明宏の衣装とメイクなんだけど(笑)
MIWAは生まれ落ちていく時に、二つの性が一つの身体に入り込んだ状態で、美しい外見なのに、野太い歌声が出るのは、安藤牛乳のおかげ。
長崎での少年時代と3人の母親、原爆、東京のシャンソンクラブでのショーと2時間の間に目まぐるしく場面が変わる。
登場人物はかなり多いんだけど、MIWAの独白というか、安藤牛乳との対話が多い。自分の性に対する疑問、安藤牛乳が居る事によって歌手として成り立つ自分への苛立ち。
男を愛する事と当時の世相、そして心象風景として最後まで引きずられる原爆投下された後の長崎。色々なものが悲劇的に絡まり合いながらも、MIWAは舞台に立つ。
現実と虚構が入り混じった不思議な演劇
それぞれ登場人物にはモデルとなった人物がいたりで、野田秀樹の演じたオカマの演出家が実は…と言うのが驚いた。でもまあ、死後の話とかを考えると、あの人の心理とかってあんな感じなのかなあとかも思えてしまうから不思議。
小出恵介がテレビではパッとしないイケメンだなあ(笑)と思っていたのだが、劇では凄く良かった。意外に問題定義な役柄(笑)
やっぱり演劇を見ると役者の凄さがわかるよねえ。
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