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堤真一主演『マクベス』をシアターコクーンで観た[演劇]

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シェークスピア原作の「マクベス」を長塚圭史が演出。六角形の舞台で繰り広げる凋落の物語

渋谷のシアターコクーンでやっている「マクベス」を観てきた。時間は2時間半。途中休憩あり。

イントロダクション | マクベス Macbeth | Bunkamura

席は普段舞台で使われている側。真ん中に六角形の舞台があり、その四方を観客席で囲むというアリーナ型。舞台の下から演者が出てきたり、客席の間をぬって出てきたり、時には客席に座っていたりするというなんとも実験的な舞台。

衣装もまた特徴的で、背広を着ていたりと概ね現代的な衣装。合戦の時などは背広の上に鎧を着たりするので、なんとも不思議な雰囲気になる。

実は原作の「マクベス」はなんとなーく話は知っていたけど、舞台とかは観た事が無かったので、これが初見。ただまあ、雰囲気は黒澤明の「蜘蛛巣城」の様な雰囲気を漂わせていた。日本人がやってるからかもしれないけど。

シェークスピアの演劇なのでともかく長ゼリフが多いので役者さんは大変そう。主演の堤真一は聞き取りやすくて良かった。明朗快活だったマクベスが、ひとたび野望に火がついて、だんだんと狂気に落ちていきやつれて行く姿とかがうまい。堤真一って無骨ななりをしてるけど、外見とは裏腹に、内面的には弱くて一度転げ落ちると、駄目になっていく人の演技がうまいね(笑)自信満々な時と、弱った時の演技のギャップがすごくていい。

舞台演出は最低限な舞台装置で、最終的には観客も手伝わされる形のものだった。役者の出入りが激しくて、それで舞台転換する感じ。あと、効果的だったのは水の音。

舞台の端に2本の蛇口が設置されていて、それをひねると実際に水が出てくるんだけど、何かしら不安になる様な場面の時に水が出されてその流れる音が心にひっかかるんだよね。水の音って癒しでもあるけど、不安感を醸し出すのにも効果的だなあ。

 

人を殺した満たした野心は結局、自分を滅ぼしてしまう

 

スコットランド王の臣下、マクベスと親友バンクォーは遠征の帰り荒野で魔女に予言を受ける。それは「マクベスはコーダーの領主になり、その後スコットランドの王に成る」という事であり、バンクォーは「歴代の王の父と成る」とのことだった。

帰還すると、その予言通りにマクベスはコーダーの領主と成る。予言が当たった事により野心に火がついたマクベスは、妻にそそのかされるまま、スコットランド王、ダンカンを暗殺してしまう。

偽に仕立てた犯人を、打ち取る事によりさらに手柄を得たマクベスは、根回しの甲斐もあって、スコットランドの王となる。だが暗殺で王となったマクベスは徐々に精神に異常をきたしてゆく。

「歴代の王の父と成る」という予言を受けたバンクォーをも暗殺し、さらにその暗殺によってますます疑心暗鬼になってしまったマクベスは、恐怖政治を強いる様になる。恐怖政治の果てに妻子を殺されたマクダフは、イングランドに亡命していたダンカン王の息子、マルカム王子にマクベス討伐を促す。

はじめは渋っていたマルカム王子も、マクダフの必死の説得によりついに決心し、マクベス討伐の兵を挙げる。

イングランド軍との合同軍がマクベスの城に迫る。しかしマクベスは「魔女の予言」により、自分は死なないという確信を持っていた。

 

堤真一主演「マクベス」

なんとなーく急ぎすぎな印象がある舞台

こっからはちょっとした批評もあるので、そうゆうのが嫌いな人は飛ばしてください。あくまで個人的な感想。

 

 

台詞が長いのか、どーも飛ばし過ぎな印象がね。早い演劇は「野田秀樹」で慣れているんだけど、早いんだけど、リズム感が悪いというか、そのせいで長く感じた。舞台に緩急がないからなんだろうなあ。

長ゼリフなせいなのか、台詞回しのうまい人とそうでも無い人の差がね…テンポが悪く感じるのはその辺かもしれない。

常磐貴子は…なあ。なんか印象が「おっぱいがすごい」って事しか残らなかったんだよな(笑)大竹しのぶとか宮沢りえとかを舞台で観た後だとねえ。やっぱりテレビ向きな人と舞台向きな人はいるんだね。

あと、最後の観客参加の演出はいらない気がする。もったいぶった割にはただ単に舞台が観づらくなるだけで、せっかくの堤真一の熱演が全く見えなかったんだもん。

準備にもたもたしちゃう人も居るわけで、せっかく入り込んだ舞台が現実に戻っちゃうんだよね。やるにしてももうちょっとすんなりやらせないと、ぶつっと切れちゃうんだよなあー、勿体ない。


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