丸子地移動動物園の備忘録

どっこい生きてるフリーランス-東京で活動するグラフィックデザイナー『丸子地移動動物園』のブログ

お染・久松別バージョン!携帯小説の様な「染模様妹背門松」[文楽・感想]

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若者は避妊はちゃんとしないとねっ!

2月の国立文楽公演を観てきた。実際に起こった心中を元に創作された、有名な「お染」「久松」の心中もの

後に近松半二が書いた「新版歌祭文」という同じテーマを扱ったものもある。「新版歌祭文」の「野崎村」は、よく公演されるから、内容としてはそっちの方が有名かな?

内容はねえ……携帯小説とかレディーズコミックみないなんだよ(笑)なんか森田童子のBGMとか流しても良さそうな、甘ったれた若者の自分酔い恋愛

10代でSEXして子供できちゃったどうしよう?私たち可愛そー、死にましょう

……という、なんともまあお花畑というかね……

正直、お染と久松の心中に全くもって同情できない。数ある心中ものの中で一番同情できない。どっちかというと残された親とか、お染の婚約者「清兵衛」に同情しちゃう。

というかね、憎らしいはずの「お染」の婚約者「清兵衛」が完璧超人すぎるんだよね。大体「お染」の兄貴、「多三郎」もろくでもない男で、遊女を身請けする為に、他人から借りた物を実家で質入れしちゃうんだよっ!?まあ、これは罠ではあるんだけど、それにしてもねえ。

この「多三郎」のトラブルをズバッと解決し、親に勘当されそうになった、「多三郎」を一時預かってやる。

「お染」と「久松」が付き合っているのも分かっていて、家の恥になるからといって表沙汰にならない様、密かに処理する。そうゆう含みを分かりながら、「お染」の家の事情を察して、何も言わずに嫁に貰ってくれる……というトラブル処理能力の高さ。そして良い人っぷり。なんて男気のあるイケメン!!それに対し、意思決定が無く流されるままの「久松」……

そんな「清兵衛」の前半の努力を心中して台無しにしてしまう「お染」と「久松」の浅はかな心中。観ていてイライラする(笑)

 

イライラする(笑)シナリオに対し、技巧的な義太夫が盛り上げる

 

シナリオ的にはどーにもこーにもな感じなので(笑)義太夫とか人形の動きでかなり盛り上げてくれる。

特に悪人である番頭の「善六」と「源右衛門」の漫才の様な掛け合い(チャリ)が秀逸。この憎めない悪人二人は、悪事が露呈してからのふざけっぷりがね。口三味線で「久松」の密会をばらすのだが、義太夫も人形もノリノリなんだよねー。面白い。

それに今回、豊竹咲大夫さんがかなりの時事ネタアドリブ。あんまり文楽でアドリブって聞いた事なかったから新鮮ー。それに、色紙を隠していた箱の中には「大江戸都知事選」の紙が入っていたり……(笑)観たのが初日だったので、翌日都知事選だったからね。こうゆうノリも楽しいねえ。茶目っ気たっぷりで。大阪で直し選挙のが気になるだろうに(笑)

 

染模様妹背門松 染模様妹背門松

 

ざくっとしたあらすじ

 

油屋の娘、「お染」は丁稚の「久松」と恋仲。「お染」に惚れていた番頭の「善六」はちょっかいを出すも相手にされない。

そこへ「お染」の兄が、恋人の遊女「おいと」とやってくる。

「お染」の許嫁、「清兵衛」がやってくるので、「おいと」を戸棚の下に隠したのだが、その後、「源右衛門」がやってきて、「おいと」を出せと迫る。

「おいと」が身請けされる事となり、あせった「多三郎」は「源右衛門」に家宝の色紙を借りて、それを油屋に質入れしたのだ。

その金で「おいと」を身請けしたのだが、返却の期限が今日、色紙が返せないのなら「おいと」を寄越せと迫る「源右衛門」。

その上、「多三郎」が借りた金300両の内、100両を「源右衛門」に貸したのだが、貸した証文が真っ白に。実は証文の墨がイカスミで、時間とともに消えてしまったのだった。

そのカラクリを暴き、尚かつ色紙が偽物であったことを見抜く「清兵衛」。「善六」と「源右衛門」がグルになってやった事も見抜いた「清兵衛」は二人をやり込める。

やけくそになった「善六」と「源右衛門」は「お染」と「久松」の不義を訴え、証拠の恋文を読み上げるのだが、それは実は、「善六」が「お染」に宛てた恋文だった!

落ちていた「善六」の恋文と「久松」が書いた恋文を「清兵衛」がすり替えたのだ。

面目丸つぶれの「善六」と「源右衛門」は這々の体で追い出される。

「お染」の母親「おかつ」が「多三郎」を勘当するというのを止め、一時的に二人を預かるという「清兵衛」。また、「久松」が「お染」に宛てた恋文を、人知れず「久松」に戻して、その場を丸く収める「清兵衛」。

同じ悪夢を二人で見た後、申し訳ない想いの、「久松」は自害を決意する。「久松」は「お染」は生きてほしいとうったるのだが、「お染」は妊娠していたのだった。

その事を母親に知らせてしまった為、二人で死のうと決意をするのだが、その想いを察した「お染」の母と「久松」の父親は二人を説得する。「久松」は実家に帰り嫁を貰う事になり、「お染」もまた「清兵衛」の所に嫁に行く事にする。

そのまま「久松」を実家に連れて帰ろうとするのだが、流石に主人に挨拶をせず帰るのはぶしつけということで、主人が戻るまで留まる事にする。

自害の不安を拭えない親達は、「久松」を蔵に閉じ込める事にするのだが……

 

 

染模様妹背門松(そめもよういもせのかどまつ)

 

国立劇場小劇場 2014年2月文楽公演

油店の段
生玉の段
質店の段
蔵前の段   


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