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立川志ら乃「大」独演会を鑑賞[落語・感想]

しっかりとした古典落語!ダイナミックな落語が楽しかった!ゲストに立川志らく

立川志ら乃「大」独演会に誘われたので行ってきた。いやー、面白かった。立川流の落語はあまり見たことがなかったんだけど、ダイナミックでいいね。

立川志ら乃の落語は初。

立川志ら乃「大」独演会

立川志ら乃、話している口が逆台形になる動きが亡き立川談志のよう。動きが大きくて、結構くどい感じがいい(笑)

演目は全部で4つ。「岸柳島」「がまの油」、立川志らくの「らくだ」、中入りの後に「文七元結」。

どれも古典落語の話なのだけど、軽快でわかり易く、ノリのいい感じで演じているのがね。いやー、落語も噺家によって全然違うよねえ。それがいいんだけど。

立川流はもっとハチャメチャな印象だったんだけど、古典落語はしっかりしてた。現代の感覚とのマッチングが絶妙で、初めて落語を聴く人にもいいかもしれない。

立川志ら乃は、ノリノリに絶叫して話すんだけど、古典に出てくるわかりにくいものとかをちゃんと説明するんだよねえ。お客さんが若いからかもしれないけど、キセルの構造とか家紋の話とかをちゃんと説明しながら話していた。それも、説明的でなく面白おかしく。

以前違う落語会で「火焔太鼓」がかかった時に、その後にあった交流会で落語家さんに「面白かったけど、オチの半鐘がおジャンというのが、なんだかわからなかったです」と聞いていた若者がいたんだよね。

うーん、半鐘も知らないのかーとかその時は思ったんだけど、まあ普通に生活していたらそりゃ知らないだろうなあと思い直した。

だって半鐘なんて、今はないもんねえ。

そうゆう言葉を噺の邪魔にならない程度に説明するってのは結構すごいなーと聞いてて思ったよ。

古典落語は現代に残っていない物や風習が出てくるから、それを勉強せずに聞くとなんでそうなのか分からない部分って確かにある。

面白いことと言葉が難しいのは別問題だからねえ。

でも、面白いはずの落語を勉強してから聴くっていうのも何か違う気もするし、そうゆうところを自然に導いて興味をそそるようにするってのは意外に大事だよねえ。

で、演じられた落語の演目のあらすじを少し。

岸柳島

渡し舟に飛び乗った若侍。横柄な態度の若侍は、町民に席を空けさせ、キセルをふかしだした。灰を捨てる時に船の縁にキセルを打ち付けると、キセルの雁首(キセルに葉をいれるところ)が取れてしまった。

雁首が取れてしまったら、キセルとしては役に立たない。それを見ていた屑屋(リサイクル商人)がいらないなら壊れたキセルをくれという。

それに切れた若侍は屑屋の首を落とすと言いだす。それを止めに入った老侍は間に入るのだが……

がまの油

がまの油売りの話。がまの油はいわゆる膏薬で、それを塗ればたちまちに切り傷などが治るという。

口上(売り文句)で調子良く、がまの油を売った浪人は、売れたお金でしこたま酒を飲んでしまう。

そのまま帰ればいいのに、欲をかいてもうひと稼ぎしようとした浪人はへべれけのまま口上を始めて……

らくだ

ゲストの立川志らくの噺。

長屋で嫌われ者のらくだが、フグの毒にあたって死んだ。らくだの死体を発見した先輩、丁目の半次は通夜を開くために、たまたまそこに現れた屑屋に無理難題を申し付けて、長屋の住人や大家に金や酒、食べ物をせがみに行かせるのだが……

歌舞伎でも有名な演目。死体を弄ぶ結構不謹慎な噺(笑)

文七元結

左官屋の長兵衛は博打で大きな借金を作ってしまった。

それを知った娘のお久は女郎屋に自ら身売りする決意をする。

人情派の女郎屋の女将は、父を想うお久の行為に心を打たれ、長兵衛を呼び出し、無償で50両貸してやるという。ただし、来年の年末までに返さなければ、お久を女郎として店に出すという。

長兵衛は反省しお金を持って家路に急ぐ。しかし、その途中で吾妻橋で身投げをしようとしてる文七に出会う。

身投げを止める長兵衛。話を聞いてみると、なんでもお店のお金をすられてしまったらしい。その金額がなんと50両。

長兵衛の手持ちにあるのも50両。しかも、娘の身売りがかかった50両。しかし、目の前の男は金を渡さないとすぐにも死にそう。

迷った末に長兵衛は文七に金を貸してしまう。

これも歌舞伎になっている人情噺。人間臭い長兵衛がいい味出してるんだよねえ。

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