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国立劇場初春歌舞伎。「実は!」が多すぎ(笑)ラブコメに大乱闘にホラーにと詰め込みすぎな「世界花小栗判官」(歌舞伎・感想)

平成30年初春歌舞伎世界花小栗判官を国立劇場で観てきた。

出演は尾上菊五郎、菊之助など菊五郎劇団。

なんというかなあ、歌舞伎特有な退屈な場があんまりなく、各場見せ場がかならずあるという、物語的には山ばっかりの話(笑)正月らしいといえば正月らしいけどね。

なんというかね、物語の整合性とか話の展開とかどうでもいい感じなんだよねえ。お正月の菊五郎劇団定番の流行り物を入れたチャリ場もあったりと盛りだくさんだし。

ただまあ、当時、2chやTwitterがあったら大変炎上したんじゃないか?っていう壊れっぷりなんだよなあ(笑)

ある意味スターウォーズ的な舞台(笑)見せ場以外はしゅっと流れちゃう感じなんで、歌舞伎を見慣れてない人が観るにはいいかも?

足利の重宝が盗まれすぎ!イケメン主人公小栗判官大冒険

室町幕府、三代足利義満の時代、ラスボスの大盗賊・風間八郎が、足利の重宝勝鬨の轡を盗みに入ったところから舞台は始まる。

その際に御所を警護をしていた、小栗判官の父は風間八郎に殺害される。

場面は変わって横山大膳の屋敷。横山大膳はラスボスのような威風堂々とした姿。

新たに普請された御殿の祝いが行なわれている。

この大膳の館には大膳の銘で小栗判官の許嫁、照手姫がいた。

照手姫は小栗判官にぞっこんラブ(笑)なので、御殿の祝いの席で結婚できると大喜び。しかし、その裏には大膳の策略があった。

大膳が屋敷の守りとして飼っている名馬・鬼鹿毛は実は人食いと言われる野生馬で、それを馬の名手という小栗判官に調教してもらうという名目で近づかせ、喰い殺させようというものだった。

大膳は実は足利幕府転覆の野望を持っていた。その足掛かりとして、邪魔な小栗判官を殺害しようと考えたのだった。

事情を知らずにやってきた小栗判官。その間に暴れ馬である鬼鹿毛は逃げ出していた!

式典の場に乗り込んできて暴れる鬼鹿毛を見事な馬術で従える小栗判官。

そこへ将軍家の勅使と呼ばれる細川政元が現れた。

政元は隠された足利の宝剣・水清丸の剣の所在を聞く。そのやりとりで大膳の野心に気づいた政元は胸の内を語る。実は政元も同じような天下転覆の野心を持っていた!

その野心を成就するために、二人は白拍子を招いて祝いを行う。

その後、二人で天下を取ろうと約束した政元と大膳。大膳は政元を信用し、清水丸の剣の在処を話す。すると政元は大膳を切りつけ殺害!大膳、ラスボスっぽかったなのに!(笑)

そこに先ほどの白拍子が現れる。白拍子が服を脱ぐと、そこに現れたのは本物の細川政元

偽物の政元は実は風間八郎の化けたものだった!

風間八郎は、水清丸の剣の在処を目指し、そこからいなくなる。

本物の細川政元の密命を受けていた小栗判官はその行方を追う!

小栗判官は鬼鹿毛をかり、水清丸を先に手に入れたものの、風間八郎の怪しい術にはまり、奪われてしまう。

それを追う決意をする小栗判官。

そして、そんな小栗判官を追ってきた照手姫は、途中、風間八郎の手下に襲われ海に落ちてしまう。

思い込んだらどこまでも!恋に焦がれる照手姫は周りを巻き込んで小栗判官を追う

海で溺れた照手姫は漁師の浪七(松緑)に助けられ匿われる。

浪七は実はもともと小栗の家臣。

そこに風間の配下にそそのかされた浪七の女房の兄、銅八が現れて、照手姫をさらってしまう!

浪七は銅八や風間の部下、金で雇われた漁師などを相手に大立ち回り!

なんとか照手姫を助け出し船に乗せて逃ガスものの、浪七も深手を負って絶命してしまう。

もー被害者続出ですよ!浪七は死ぬし、浪七の女房も死ぬし、悪事を働いたとはいえ、兄貴の銅八も死ぬし、漁村の人々も巻き込まれて死にまくるし。

しばらくして、今度は小栗判官。

勝鬨の轡がとある長者の家にあると聞きつけた小栗判官は、その長者の母娘に接触。

その娘、お駒に気に入られた小栗判官は婚姻の約束をして近づく。

小栗判官がお駒の家に行くと、なんと女中の中に照手姫がいた!

照手姫は船で逃げ出したものの人買いに捕まり、この家の女中として売られてきたのだった!姫なのに!!

照手姫の存在に気がついた小栗判官は事情を話して、婚姻をなかったことにしてくれと話す。

実は照手姫の乳母だったお駒の母親はこれを承諾。
しかし、面白くないお駒はなかなか受け入れない。

結婚できないなら死ぬ!というお駒を止めようとした母親は、誤ってお駒を傷つけてしまう。

それを気に暴れるお駒を、母は忠義のために殺害。

殺されたお駒は無念にかられ、悪霊となってしまう。

悪霊となったお駒は小栗判官を呪い、動けない体にしてしまうのだった!

なんだよ、今度はホラーかよっ!話盛りすぎ

のこのこと敵の本拠地に行ってしまう、照手姫と小栗判官の謎のパワーアップ!

お駒の呪いで体が効かなくなった小栗判官を荷台に乗せて引く照手姫。
姫なのに(笑)

熊野権現が呪いに効くということで、車を引きながらお参りをする姫と小栗判官。

ふと、蘭奢待の香りがしたので、その香りを負って山荘に近づいてみると、そこが風間八郎の本拠地だった!

エーーーー!

風間八郎の部下に見つかり、滝壺に叩き落とされる小栗判官。

しかし、その滝は熊野権現の霊験を受け、小栗判官の呪いを浄化された!その上霊験により、小栗判官はパワーアップ!

さらにさらに、滝に隠してあった勝鬨の轡と水清丸の剣をゲット!

エーーーー!!

無事宝を取り戻した小栗判官は風間八郎と対峙。風間八郎の正体は実は……

風間八郎の正体が分かり、細川政元たちも現れて勢ぞろいして「決戦は後日ー」で舞台は終了。

はー、見終わってなんだか疲れたよ、盛りだくさんすぎて(笑)

初春歌舞伎公演「通し狂言 世界花小栗判官(せかいのはなおぐりはんがん)」

国立劇場
2018年1月

発 端(京)
室町御所塀外の場

序幕 春(相模)
鎌倉扇ヶ谷横山館奥庭の場
同  奥御殿の場
江の島沖の場

二幕目 夏(近江)
堅田浦浪七内の場
同 湖水檀風の場

三幕目 秋(美濃)
青墓宿宝光院境内の場
同 万屋湯殿の場
同 奥座敷の場

大詰 冬(紀伊)
熊野那智山の場

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