丸子地移動動物園の備忘録

どっこい生きてるフリーランス-東京で活動するグラフィックデザイナー『丸子地移動動物園』のブログ

12時間の長丁場!悪の蘇我入鹿を倒せ!通し狂言「妹背山婦女庭訓」を国立劇場で鑑賞(文楽・感想)

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国立劇場の開催中、通し狂言・妹背山婦女庭訓を観てきた。

第一部の前にレクチャーを聞いて第二部もそのまま観たから、朝の9時から夜の21時までずっと劇場にいたことに(笑)

流石に腰と尻が痛くて辛かったよ(笑)

第一部は大内の段から三段目の太宰館の段まで

妹背山婦女庭訓近松半二作の大化の改新(乙巳の変)が元になっている作品で、最終ボスは蘇我入鹿

一段目の大内の段はなんと98年ぶりに演じられたそうなんだけど、正直あんまり盛り上がらない……これならこれ削って五段目入れて欲しかったなあ。

最後の五段目がないからカタルシスがないんだよね。もやもやで終わっちゃう。

第一部は野望に燃える蘇我蝦夷子が様々な画策をするんだけど、結局うまくいかない。

しかし、それすら、息子の入鹿の計略で、最終的には天智天皇は追放し、入鹿が帝位を手中におさめる。

ここからしばらく入鹿のターン

藤原鎌足の息子、淡海や部下の芝六は入鹿を倒すアイテム集めに奔走することになる。

まずは芝六が奈良の葛籠山で鹿を狩る。入鹿にはその名のごとく、神の使い鹿の血が混じっているので、倒すのにどうしても必要。

しかし、葛籠山での鹿狩りは禁止されていて、それにより芝六の義理の息子、三作は自分が鹿を狩ったと偽り、捕らえられてしまう。

その捕物は自分の忠誠を試す為の鎌足の策と見抜いた芝六だったが、動揺し、実の息子杉松を殺害してしまう。

処刑場に連れていかれた三作自体は、処刑のために堀った穴から蝦夷子が隠した三種の神器の二つが見つかったため恩赦されたのだが、実子を殺しちゃった後だからねえ。

ある意味、杉松は無駄死にんだよなあ。

第二部は大局三段目後半の妹山背山の段から四段目、金殿の段まで

第二部は三段目の後半で、有名な妹山背山の段から四段目の金殿の段まで。

この後、本来入鹿を倒す五段目があるんだけどね。時間の関係上今回はなし。ゆえにもやもやするー。

妹山背山の段は、文楽のロミオとジュリエットと言われる話で、第一部で偶然であった、久我之助と雛鳥の悲恋

第一部でイチャラブしてた二人が親の都合で引き裂かれる。だけでなく最終的には……

上手、下手が真ん中の川で別れていて、上手が背山・大判事側、下手が妹山・定高側。

床も左右に設置されていて、それぞれ背山側、妹山側で語りと三味線があるんだよねー。凝ってるなあ。

妹山側は女性側なので、着物も見台も華やかだしね。

大判事、定高ともに入鹿の手下なのだが仲が悪く足の引っ張り合いをしている。

ただ大判事の方は不本意ながら入鹿にしたがっているので、裏切りを警戒されてるんだよね。

そんな関係の息子と娘が愛し合っちゃったもんだから大問題。愛し合ってることを入鹿にチクられて、お互いの家はピンチに。

久我之助は入鹿に出仕、雛鳥は輿入れすれば助けるとのことだけど、久我之助は入鹿の所に行ったら拷問されるだろうし、雛鳥は結婚なんて嫌で嫌で仕方がない。

ただ、片方が誠意を示して、自害すればどちらかは助かるのではないか?という希望を持ち、お互い同時に久我之助は切腹、雛鳥は母・定高に首をはねられてしまう。

お互いを想いあって、お互いに死を選んだことを知った久我之助の父、大判事と雛鳥の母、定高。

せめて死後は二人一緒になれるようにということで、定高は娘の首に化粧をして川に流し、大判事に渡す。

受け取った大判事はその首を久我之助に渡し、介錯をする。

悲劇によって目が覚めた大判事と定高は入鹿を倒すと誓うのであった。

12時間の長丁場!悪の蘇我入鹿を倒せ!通し狂言「妹背山婦女庭訓」を国立劇場で鑑賞(文楽・感想)

悲劇はまだまだ続く!蘇我淡海は入鹿討伐のために女を騙す!

野に下っていた淡海は求馬と名を変えて、酒屋の隣に住んでいた。

その酒屋の娘・お三輪に手を出した求馬。なのに今度は高貴な娘にも手を出す(笑)

その娘、実は入鹿の妹・橘姫。ただこの時点ではその身分を明かしていない。

12時間の長丁場!悪の蘇我入鹿を倒せ!通し狂言「妹背山婦女庭訓」を国立劇場で鑑賞(文楽・感想)

どちらかというとミステリアスな橘姫に惹かれている求馬は、身分を明かしてくれない橘姫のあとをつける。

そして、その後をつけるお三輪。こうして3人のストーキングが道行として、道行恋苧環の段

求馬が後をつけてみるとそこは入鹿のいる館。ここで橘姫が入鹿の妹だと知る。

求馬は自分が淡海であることを明かし、兄を裏切って入鹿の盗んだ三種の神器の一つ、刀を持ってくるように頼む。

一方、求馬を追ってきたお三輪もまた屋敷に迷い込む。

求馬を見失ったお三輪は屋敷をさまようが、下女に見つかってしまう。

下女たちはこの娘が橘姫のライバルと察し、嘘をついてイジメ抜く

イジメられ惨めな思いをしたお三輪は嫉妬に狂い鬼のような形相で、館を彷徨う。

そこに、鎌足の指示で館に潜り込んだ鱶八と偶然出会い、いきなり刺し殺されてしまう!

実は入鹿を倒すには、鹿の血と嫉妬に狂った女の血が必要だった!

この時に求馬が、実は藤原淡海であることを知ったお三輪は、そんな高貴な方のお役に立てるなんて幸せだと言いながら死んでいく。

って!おいっ!!そんなんで納得するのかお三輪ちゃん!利用されたんだぞ!とかモヤモヤしながら終了ー。

12時間観てこの終わり方はひどい(笑)やっぱり入鹿を倒す五段目が観たいわ!

面白かったけど、ひどい話だよなあ。弱者は死にまくりだもんなあ

いくら入鹿を倒すためとはいえ、犠牲が多すぎだよねえ。

それにしてもひどいよな、淡海は。最低のゲス野郎だよな(笑)二股する理由とか特にないもなあ。お三輪ちゃんはいわばお手つきだもんな。

大義のためとはいえ、関係ない人が死にすぎ。コンプラにうるさい現代で連続ドラマとかにしたら、すぐ炎上しそう(笑)


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