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5月文楽公演(国立劇場)を観てきました

国立劇場で開催中の文楽公演、第一部を観てきた。

文楽公演

 

一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)

一谷嫩軍記は先月歌舞伎座で吉右衛門主演で観てきたばかり。文楽と歌舞伎のシナリオと演出の違いが面白かった。

歌舞伎では熊谷次郎が出家した後、立ち去るときに幕が閉じて、花道に取り残された熊谷次郎が「16年は一昔、夢だ、夢だ」と言うところがたっぷりとあってぐっとくるのだが、文楽だとさらっとやる。その代わり、熊谷次郎が敦盛の首を義経に曝したところがかなり盛り上がるんだよねえ。

すがりつこうとする、熊谷次郎の妻、相模を壇上から蹴落としたり、敦盛の母親、藤の方と相模がパニック状態になったのを制札で制して身を切ったりとともかく派手だった。

人形と役者の演出の違いを観るのもやっぱり面白い。そして、やはり文楽の方が筋を追いやすいな。

それよりも相模、主遣いの桐竹紋壽さんが突然体調不良で居なくなられたのはびっくりした。相模が振り向くと、左遣いの人に変わっていて、一度引っ込んだら桐竹勘十郎さんに変わっていた。まだ公式な発表はないみたいだけど、桐竹紋壽さんは大丈夫だろうか?

しかし、突然の病気でも、よどみなく舞台が進んだ事にはびっくり。人の役者だったらこうは行かないよなあ。そいや、米米クラブのライブを仙台に観に行ったときに、ボーカルの石井竜也さんが急病で、途中休演になったことがあったな(笑)幕が一度下がって開いたらメンバー全員が頭下げていた時には「わー」って気持ちになったもん。仙台まで行ったのに(笑)まー、珍しいもの観たなーってな感じで、その後の酒盛りは盛り上がったけどさ(笑)

曾根崎心中(そねざきしんじゅう)

あらすじはこちら

曾根崎心中はもー何回観たか分からん(笑)杉本文楽も曾根崎心中だったしねえ。しかし、「冥途の飛脚」や、「心中天網島」を観た後だと、駄目男っぷりが足りなくて物足りないというか(笑)

曾根崎の「おはつ」と「徳兵衛」は同情できるし、その不条理さに観た後怒りすら覚えるが、「冥途の飛脚」や、「心中天網島」は男の屑っぷりが目立ってきて、心中後も同情できない。近松門左衛門も観客の期待にどんどん答えるために、男をどんどん屑化していった感じだ(笑)。その極みが「女殺油地獄」なんだよね。本当に救えない屑だもん(笑)

 

2013年5月国立劇場

一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)

熊谷桜の段
熊谷陣屋の段

曾根崎心中(そねざきしんじゅう)

生玉社前の段
天満屋の段
天神森の段

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