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「陰陽師」 九月花形歌舞伎

歌舞伎初心者うってつけの新作歌舞伎「陰陽師」

夢枕獏の「陰陽師」が原作の新作歌舞伎。現代語歌舞伎なので、非常に分かりやすい。現代新作でありがちな、歌舞伎にあるような様式美を無視する事なく、ちゃんとやっている。

ある意味とてもオーソドックスっで歌舞伎初心者にはうってつけの演目じゃないかな?

それに、歌舞伎を沢山観ている人でも満足できると思うんだよね。古典的な演出を現代風にアレンジする形で留めてるから良かったんだろうなあ。

やり過ぎだと、「歌舞伎って何?」って感じになっちゃうからねえ。

あらすじ

時は平安の世、魑魅魍魎があふれ、不吉な予兆が現れる出来事が続いた。その裏にあるのは平将門の復活。20年前、東国で反乱を起こし都を攻め落とそうとした平将門が、何者かによって復活されようとしていた。平将門が復活すればこの世は混乱し、平成の世は瞬く間に混沌と化す。

都に住む陰陽師、安倍晴明は、天皇の内命により、源博雅と共に調査を始める。

主役は海老蔵の「平将門」

ちょっとネタバレがあります。

陰陽師

いや、本当は染五郎の「安倍晴明」なんだけど(笑) 安倍晴明と相棒の源博雅はあんまり出てこないし、見せ場もない(笑)

ど派手な部分は藤原秀郷のムカデ退治とか、最後の派手な戦いとかあるんだけど、清明達はあくまでサポートするだけなんだよなー。捜査パートも後手後手だし。

まあ、話の中盤がまるまる過去の話、平将門が反乱を何故起こしたのか?という話から始まるので、仕方が無いのかもしれないけど。

原作は読んでないのだが、読んでる人から言わせれば、ストーリーテラーな役割だそうで。それにしたって…出番がない。館で酒飲んでた印象しかない(笑)あの酒のシーン、染五郎マギー慎司張りのラッキーくん芸(笑)が目立ってた印象(笑)

まあ、周りが濃すぎるんだよなー。平将門海老蔵だし、それを操る真の悪、興世王愛之助なんだもんね。愛之助はノリノリだったな、悪い役。そして、平将門の親友で、過去将門を討った松緑演じる藤原秀郷も熱血バカの暑苦しい人だったし(笑)

まだ、勘九郎演じる源博雅のが、見せ場があるよなー。笛が得意だから、笛で色々な場面救っちゃうし(笑)平将門が改心するきっかけだしね。あと源博雅は実は、質問キャラなんだよね。言葉とかの意味が分かりにくいタイミングで「え?それってどうゆうこと?」って源博雅が聞いてくれる。そのおかげで話が凄く分かりやすい。一般人代表、お客さんの代わりな部分があって実は重要なキャラだったわ。

最後の戦い、それぞれが役割を持っていて、源博雅も笛を吹いて怒りを治めたりしたんだけど…

え?清明何してたの?きつねと戯れてたの?(笑)

舞台は面白かった。演出がダイナミックで派手だったし。ただ、なんかもうちょっと清明が前に出てもいいかなー?とか思っちゃった。他に比べてキャラが薄かったのかもなー。映画の萬斎みたいに、どーみてもナルシストの変人みたいな雰囲気があった方が、良かったのかもね。あれだけ濃いと出番が少なくても印象に残るからねえー。

新開場記念 新作歌舞伎 新作 陰陽師(おんみょうじ)滝夜叉姫

  第一幕 都大路
      「晴明、百鬼夜行に遇いしこと」より
  第三幕 貴船山中
      「将門復活。最後の戦いと大団円」まで
   
安倍晴明 染五郎
平将門 海老蔵
興世王 愛之助
桔梗の前 七之助
賀茂保憲 亀三郎
平維時 亀 寿
大蛇の精 新 悟
蘆屋道満 亀 蔵
平貞盛 市 蔵
雲居寺浄蔵 権十郎
小野好古 團 蔵
源博雅 勘九郎
俵藤太 松 緑
滝夜叉姫 菊之助

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