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ソープのボーイとして働いた50歳のドキュメント本「ソープランドでボーイをしてました」[本・感想]

ソープランドでボーイをしてました

体育会系のギッチギチな職場で50歳が働く……ブラックどころではないねえ

ふと見たサイトで話題になっていて気になったので電子書籍で読んでみたソープランドでボーイをしてました

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こういったちょっとアングラ系の仕事ってやっぱり興味あるよね?自分がやるのは嫌だけどさあ。まあ、人生何があるかわからなしねえ。

以前、飛田新地の経営者のドキュメンタリー本を読んだけど、今度は下っ端の話。

該当記事:飛田新地で経営者をやっていた人の回顧本「飛田で生きる」[本・感想]

読みやすくて一気に読んでしまった。ソープの裏側ってどんな感じ?という興味本位で読み始めたのだが、最後はちょっとホロリとしてしまう話。

仙台で調理の仕事をしていた妻子持ちの50歳の男が、ちょっと株で上手いこと言ってしまったことにより、仕事を辞めて株のデイトレーダーになるものの最終的に大損し、再起をかけて飲食店に再就職したものの震災の影響で店がなくなってしまって無職になってしまう。

家のローンや借金でにっちもさっちも行かなくなり、いよいよ死ぬしかないんじゃないか?という状況でみたスポーツ新聞の求人欄で、ソープのボーイの求人を発見。

好待遇だった条件を頼りに、妻子には仕事内容を説明せずに上京してボーイとして入店したものの、そんな都合のいい話があるはずもなく……

最終的には8ヶ月で辞めてしまったって、幸運にも仙台の飲食店に再就職できたんだけど、ソープの仕事というのがまーキツイ。

ブラックブラックと言われる世の中、そんなことが通用し無さそうな世界がねえ。11時から深夜まで働いて休憩は1時間とか出し。

作者が入店する前も結局はきつすぎて、前任者が飛んだ(いなくなった)から。

作者が入った店は3階建てで、倉庫が3階にあるものだから、備品を取りに階段を行ったり来たり。50歳にはそりゃきついだろう。

その上、客対応や使用した後の部屋の準備、掃除、そして店の前に立っての敷地内での客引きなど。ともかくやることが沢山ある。

キッツキツの仕事の上に上下関係が体育会系で、1日でも早く入店したもののの言うことは聞かなければならないという不条理さ。

怒られても当たられても「すみませんでした!」とただただ謝るだけ。50にもなって年下とかにこき使われて、そりゃ凹むよねえ。

そして、ソープのボーイをやる人というのはそれなりの理由のある人ばっかりで。背中に立派な彫り物がある人とかね。

寮があると言っても、おっさん従業員4人を2DKに押し込んだ状態で、新人は仕事が終わった後もお風呂掃除があったりで、寝るのは深夜の3時過ぎ。

そんな過酷な仕事なのに休みは月3日。仕事は日当に近いので休めばそのまま給料が引かれるという。まさに軍隊。

近くでガサ入れが入ってり、保健所が視察に来たり……

ソープランドというのは、部屋を女の子に貸して、そこに尋ねてきた人が女の子と自由恋愛をするという名目なので、たまに保健所から監査が入ったりする。

その前日などは、引っ越しか?というくらい大わらわになる。で、実際の監査は10分くらいで終わっちゃうという。

それでも、きちっとやっておかないと、警察が乗り込んでくる可能性があるわけで。

実際に、エピソードの中で近くのお店にガサ入れが入ったという話が出てくる。結局はお上のさじ加減の上で成り立っている商売ということなんだよね。

作者がソープのボーイを辞める決意をするのもそう言ったエピソードがあったからみたいで。

仕事としてちゃんとしてても、捕まれば前科者だもんねえ。

次の仕事が決まったことも相まって辞める決意をするわけだが、そうなってしまうと、きつかったこともいい思い出になったりで。

体育会系の卒業みたいな感じ?もしくは文化祭の準備が終わる感じかな。

作者も青春が終わるというような表現を使っていたので、慌しくてきつくてもそれはその後の人生の糧になってりするんだよね。

どんなにきつくても、あの時のがきつかったと思えることがあるってその後強くなれるし。

それに、ソープにいる人も上下関係を抜けば意外にいい人だったりして、卒業することを喜んでくれるみたいな感じがもう……

作者はその経験を生かして、飲食業に精をだし、今は当時のエピソードを基にして本とか出しちゃってるんだもんね。

今が辛い人とかは、これ読むと勇気をもらえる。辛さってのは比較できないけど、切り替えるきっかけにはなるからね。

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