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菊之助の作り阿呆は狂気に満ちてた「鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚」国立劇場「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」[歌舞伎・感想]

一條大蔵譚

坂東亀蔵の「歌舞伎のみかた」と菊之助の「鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚」

国立劇場で開催中の歌舞伎鑑賞教室に行ってきた。

金曜だけは7時から社会人のための歌舞伎鑑賞教室をやっていたそれを見てきた。

鑑賞教室だけあって年齢層は千差万別。久々に1階席で観ると役者の表情が見られていいねえ。まあ、女形はやっぱり遠目のがいいけど(笑)

最初の歌舞伎のみかた坂東亀蔵が歌舞伎の基本的な見方を開設してくれる。

初心者向けだから知ってることも多いけど、黒御簾を開けて下座音楽の演奏が聞かれたのはよかったなー。

でも、たまにこうゆう講演を聞くのもいい勉強になるね。

尾上菊之助がつくり阿呆の一條大蔵卿長成を演じる!一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)

一條大蔵譚

鑑賞教室の歌舞伎は一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)の2幕。

一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)鬼一法眼三略巻の一幕。

平家の兵法家の鬼一法眼は平家に仕えながらも、実はもともと源氏に使えていた。

鬼一法眼は密かに牛若丸を鍛えるという燃える話なんだけどその中でも一條大蔵譚は常盤御前の話で、源義朝亡き後、清盛に見初められるも、清盛の息子重盛が、迎え入れることを拒んだため、一條大蔵卿長成の元に輿入れすることに。

一條大蔵卿長成はアホと言われるくらいの酔狂な男で、それに毒されたのか常盤御前も遊び放題になっているとの噂。

常盤御前の真意を確認するために義朝の元部下、吉岡鬼次郎と妻のお京が一條大蔵卿の館を訪れるところから話は始まる。

一條大蔵卿は噂どうりの阿呆。妻のお京は女狂言師のふりをして、一條大蔵卿に取り入り館に入る。

館に入ったお京は、裏口から吉岡鬼次郎を招き入れる。

館に忍び込んだ吉岡鬼次郎が見たのは、弓矢遊びに興じる常盤御前。

その姿を見て怒り心頭な吉岡鬼次郎は、元上司であるはずの常盤御前を散々に打ち据える。

しかし、その常盤御前の姿はやはり仮の姿だった。

彼女は弓矢遊びをするふりをして、的の裏に平清盛の絵を入れて、呪いをかけていたのだった。

彼女の本心を知り、平服する吉岡鬼次郎夫婦。しかし、密かに平清盛に通じていた一條大蔵卿の部下、八剣勘解由は清盛に注進するという。

立ち去ろうとする八剣勘解由は何者かに後ろから切られる。

そこには勇ましい姿をした一條大蔵卿の姿があった!

実は一條大蔵卿は遡れば、源氏の一族で、平家の世の中となった今の世の中を欺くために作り阿呆を演じていたのだった!

菊之助の演じる一條大蔵卿は絶対素の性格も狂人だと思う

元祖、バカ殿とも言える一條大蔵卿作り阿呆という役どころで、実はできる男という設定。

以前、吉右衛門で見た時はそんなに感じなかったんだけど、菊之助の演じる一條大蔵卿は絶対元から壊れてる男って感じだったよ(笑)

最後、裏切り者の八剣勘解由の首をはねてその首をお手玉のように放り投げながら幕が閉まるわけだが、どう見てもその目が笑ってないという狂気

言い方悪いけど最初からキ○ガイだよあの人……フリじゃないよ!やばい狂い方のほうだよ!

って感じが出ていて、なんか怖い終わり方だった(笑)

平成29年7月歌舞伎鑑賞教室「鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚(きいちほうげんさんりゃくのまき いちじょうおおくらものがたり)」

解説 歌舞伎のみかた 坂 東 亀 蔵

中村吉右衛門=監修 鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)                                  一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり) 二幕 国立劇場美術係=美術            檜垣茶屋の場 大蔵館奥殿の場

(主な配役) 一條大蔵卿長成 尾上 菊之助 常盤御前    中村 梅枝 鬼次郎女房お京 尾上 右近 吉岡鬼次郎   坂東 彦三郎

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