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エル・グレコ展 東京都美術館

東京都美術館で開催されている『エル・グレコ展』を観てきました。

実は、『ラファエロ』展がやってるものだと勘違いして上野の地へ降り立ってしまったという話(笑)せっかく上野まで着たんだから何か観ようと言う事で、急遽、エル・グレコ展に足を運んだ。エル・グレコ自体は名前は知れどあまり観た事が無かったので、予備知識など一切無し。

 

「ギリシャ人」という意味のあだ名で、本名をドメニコス・テオトコプーロスというギリシャ生まれの画家です。彼は生地でキリスト教にまつわる図像を描くイコン画家として画業をスタートさせ、その後イタリアで西欧絵画の技法を習得し、35 歳頃スペインのトレドにたどり着きます。そして没するまでの後半生をそこで過ごし、画家として大成しました。細長くデフォルメされた人体や超自然的な光の効果を特徴とする独自の様式によって、対抗宗教改革のカトリック的熱情と神秘を反映した宗教画を描いたことで知られています。西洋美術史上最も偉大な画家の一人です。

エル・グレコの作品にみられる深い精神性や宗教的情熱は、長い間、画家自身の神秘主義的思想や狂信的な奇想の産物であると考えられていました。しかし、今日ではそうした見方は退けられ、生地で体得したヘレニズム文化と、イタリアで学んだルネサンスの人文主義に立脚しつつ、トレドという場において優美な人体描写の理想とカトリックの宗教的主題を稀有なかたちで融合させた、きわめて独自な知性の創造であると見なされています。

引用元: 「エル・グレコ展」.

週末だということもあって、東京都美術館はそこそこ混雑していた。なぜか同時に開催されていた盆栽展が長蛇の列だった。どうやらテレビで紹介されたらしい。窓から見える盆栽はなかなか立派でこっちも観てみたかった。

エル・グレコは16世紀から17世紀にかけて活躍した画家で、ベラスケス、ゴヤとともにスペイン三大画家の一人に数えられるそうだ。肖像画やイコン画と呼ばれる宗教画を描いていた画家で、晩年には、絵画を含めた祭壇のデザインまでもしていたらしい。序盤は肖像画にはじまり、聖人の絵、そして、大々的なマリア、キリストの絵が中心になって行く。展示の最後には今回の目玉、『無原罪のお宿り』があった。

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トレドのサン・ビセンテ聖堂オバーリェ礼拝堂の主祭壇画として制作されたもので、3m以上ある巨大なもの。本来はこれが祭壇の中央にあって、左右に他の絵が配置されたものだったらしい。その祭壇の装飾も考えられたトータルなデザインだったそうで。現在はその形では残っていないそうだ。

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結構好きなのはこの『フェリペ2世の栄光』。一つの絵の中に天、地、そして地獄がおさめられている。中央の文字「THS」はイエスキリストの事だそうだ。エル・グレコの絵はこういったダイナミックな構図なものが多く、「目に見えるもの」「見えないもの」を同時に構図の中におさめて描かれていたりする。リアリティ指向の強い宗教画において、荒く力強いタッチが独特の雰囲気を出していて、配色も濃く構図も大胆。全部が割と劇画調だよねー。なんかちょっと梅図かずおを思い出す(笑)

 

プラド美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館など、世界十数カ国の名だたる美術館やトレドの教会群から、油彩ばかり50点以上を集めた国内史上最大規模のエル・グレコ展だそうで、これだけのコレクションが揃うのもそうないだろう。見に行って損の無い展示だと思うよ。

 

会期:2013年1月19日(土)~ 4月7日(日)
会場:東京都美術館 (東京都台東区上野公園8-36)
開室時間:9:30~17:30( 金曜は20:00)
閉室日:月曜日
チケット :一 般 1.600円

http://www.el-greco.jp

 

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