テンポが良くて軽快な新作世話物歌舞伎
NHKで放送された時に、生放送だったもんで、オチの部分だけ放送しないという!罠にハマって、初の幕見をしてきた(笑)
「東慶寺〜は・な・だより〜♩」という軽快な下座音楽で始まる新作歌舞伎。原作は井上ひさし。
医者見習いでもあり、戯作者として売り出し中の「信次郎」(染五郎)は次回作が書けずにいた。
そんな「信次郎」は江戸を離れ、鎌倉の東慶寺前にある御用宿「柏屋」に身を寄せていた。
東慶寺は、縁切り寺で、当時離婚したい女性が駆け込むお寺。柏屋は駆け込みに来た女性を一時的にあずかる宿。
信次郎は、駆け込んできた人の話を聞く、離婚調査員の様な仕事をしていた。
今日も様々な女性が駆け込んでくる。
夫の為に離縁を望む女性。尼寺な東慶寺に、女房の夜の営みが激しすぎて耐えられなくなった男が駆け込んだり(笑)、愛人として囲われているのが嫌になった女性などなど。
彼らの為に、時には医者として、親身に動く信次郎。
様々な人の機微に触れる事によって、信次郎は新作のアイディアを得るのであった。
野暮天の信次郎は染五郎のはまり役
戯作者であり、縁切り宿の仕事をしているくせに、自分に想いを寄せる女性には疎い、野暮天な信次郎は、染五郎のはまり役だなー。
染五郎って個人的な意見だけど、単純なイケメンより、ダメ男要素が入ってる方がいいな。悪い方のイケメンの例は「女殺油地獄」の主役、与兵衛。
現代歌舞伎だけあって、テンポがいいし、3つのエピソードが絡み合ってなかなか見応えがあって面白い。
是非再演して欲しいわー。
歌舞伎座新開場柿葺落 壽初春大歌舞伎
2014年1月
東慶寺花だより(とうけいじはなだより)
信次郎 染五郎
法秀尼 東 蔵
柏屋主人源兵衛 彌十郎
おぎん 笑 也
堀切屋三郎衛門 松之助
美代 虎之介
おせん 孝太郎
惣右衛門 翫 雀
お陸 秀太郎