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八月納涼歌舞伎 第一部 [歌舞伎・感想]

八月納涼歌舞伎 第一部を観劇「恐怖時代」は面白い!

歌舞伎座の第一部を観劇。演目は「恐怖時代」と「竜虎」。

「恐怖時代」は谷崎潤一郎原作、武智鉄二演出の時代物。「竜虎」は舞踊。

ともかく「恐怖時代」が面白かったよー。でもあれはR15とかだなあ、血しぶきたくさんだし。

全員悪人!歌舞伎版アウトレイジ「恐怖時代」

谷崎潤一郎原作の「恐怖時代」はもーなんというか、ひどい話(笑)

野望と陰謀、そして最後は皆殺しという、歌舞伎版アウトレイジだよ、ほんと。

登場人物が皆腹に一物あるものばかりで、甘言で騙し、さらに騙し、結局誰が正義なのかというと誰も正義ではないという珍しい話。

谷崎潤一郎原作は、あまりに過激すぎて発表当初は発禁になったという作品。それを演出家の武智鉄二が演出。

歌舞伎自体も発表当初は自粛指示が出たらしい過激な演出。そりゃーこの内容じゃあねえ。

夏の朝から観る物ではないよな(笑)

大名の妾、お銀の野望

様は御家騒動。

大名の妾の女、お銀(扇雀)が自分の子供を後継者にしようとする。ただ、この時、正妻にも子供が出来たので、その子供をなんとか殺してしまおうと企む。

その企みにそそのかされるのが、お銀にたぶらかされた男達。まあ、こいつらも何かしら企んでいるので、騙されたという感じでもないんだけど。

結局騙し騙されの関係で、どんどん人が死んで行く。で、お銀の本命と思われるのが七之助の演じる伊織之介。

まだ前ぞりも終わっていない小性の伊織之介だが剣の達人で、最終的に関係者全員を皆殺しにしちゃうんだよねえ。

美少年剣士が血しぶき飛ばして人を斬り殺して行く辺りが谷崎っぽい耽美的なのかもしれない(笑)

殿様自体もろくでもない

こうゆう話って大体殿様が善人で、騙されそうなところを助けられるって形で大団円するもんだけど、この話は違う。

橋之助演じる殿様自体もろくでもない。本当にひどい。ハッシー本領発揮(笑)

というのも、お銀が何か企んでますよ!という忠言をした忠臣を、伊織之介に御前試合で惨殺させる。

その上、ピクピクしている虫の息の忠臣達に、止めを指す様子を見ながら酒盛りして高笑い。

本当にろくでもない殿様だ!

そしてろくでもない殿様とかをやらせたらピカイチだ、ハッシー!(笑)高笑いが悪そうすぎる!もー楽しそう、悪そう!(褒め言葉)

へなちょことか曲者とかやらせたら、ハッシー以上の人はいないなあ、あと残念なイケメンとか(笑)

最近歌舞伎役者で一番好きかもな、ハッシー。

なんかもう、騙されて殺されても当然な殿様なんだよなあ。こりゃ、謀反とかおきるよ……

武智歌舞伎をもっと観てみたい

割と新しい演目なんだけど、古典と新劇の間のちょうどいい塩梅な演出がとても面白かった。

ちゃんと歌舞伎の間も分かっていて、新しい演出とかをしている感じで。歌舞伎とかをちゃんと分かってる人が演出してるって感じなんだよねー。分かってない人の演出は、最早歌舞伎ではないしなあ。

他の武智歌舞伎も見てみたいなあ。

 

八月納涼歌舞伎 第一部 恐怖時代

あ、竜虎?まあ、あんまり語る事は無いかな(笑)

八月納涼歌舞伎 第一部

一、恐怖時代(きょうふじだい)

お銀の方  扇 雀
磯貝伊織之介  七之助
茶道珍斎  勘九郎
細井玄沢  亀 蔵
お由良  芝のぶ
氏家左衛門 橘太郎
梅野  萬次郎
春藤靱負  彌十郎
春藤釆女正  橋之助

二、龍虎(りゅうこ)

龍  獅 童
虎  巳之助

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