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「不破留寿之太夫」9月文楽公演第三部[文楽・感想]

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シェイクスピア作品を元にした新作文楽!コメディでありながら最後にぐっとくる男の話

国立小劇場9月文楽公演第三部「不破留寿之太夫」を観てきた。

シェイクスピアの「ヘンリー四世」と「ウィンザーの陽気な女房たち」を元に作られた新作で、主人公の不破留寿之太夫の人形は新たに作られた人形。

セットも巨大な桜と円形の背景が効果的な不思議な雰囲気。

セットや人形が洋風なのに義太夫の語りが普通に和風なので、最初の事は違和感を感じたけど、観ていくうちに慣れてきた。変に現代風とか洋風にしていないのがよかったのかも?

元のシェイクスピア感を残しつつ文楽してる和洋折衷感が丁度いい。やり過ぎると文楽じゃなくなるし、やらなさすぎると新作って醍醐味も無くなるし。

音楽は三味線以外にも二胡や琴などが入り交じって幻想的な雰囲気を醸し出している。

主人公の不破留寿之太夫は適当でいい加減な小心者の大酒飲み

主人公の不破留寿之太夫がともかく適当でいい加減。酒を飲んでは寝てしまうし、嘘をつくし、腰巾着だし。

ともかく適当に生きる事を目的としていて、働くつもりは毛頭ないという……なんかもーすごく憧れるよね(笑)

そのくせ、モテる。太鼓腹なのにモテる(笑)

まーあまりの適当さ加減に、最後は遊び仲間だった春若(領主の息子)に愛想を尽かされ、皆の前で恥をかかされる訳だが、それでもその場で思いついた適当ないいわけで逃れようとしたりと、ともかく懲りない男。

だがそれは彼なりの哲学があり、その哲学に基づいて面白おかしく生きてる訳。

春若の父親が突然亡くなり、春若が領主になった事により、急に周りが浮き足だし、不破留寿之太夫から離れていって、ぽつんと残されるんだけど、最後、花道(というか客席の通路)をスポットライトを浴びながら立ち去る姿が、何故かぐっとくる。

男としてぐっとくるんだよね、何故か。

もう一度観たいと思える作品

初日だったから少しバタバタした雰囲気はあったけど、コメディとして観客から笑いも起こっていたし、演出も過剰すぎずによかったな。

人形の衣装もそれぞれのキャラクターにあっていたし。

最後、突然展開が真面目になってしまった感じがあったけど、その辺はやっていくうちに余韻とかが出てくるのかもね。

時間も1時間40分くらいで見やすい時間だし、面白かったよ。こうゆう新作をどんどんやりつつ、定番にしていって欲しいなー。

杉本文楽とかも2回目は練り込まれてたしね。

『不破留寿之太夫』特設サイト

「不破留寿之太夫」9月文楽公演第三部[文楽・感想]

2014年9月6日(土)~2014年9月22日(月)

9月文楽公演第三部

国立劇場小劇場


2 Comments

  1. 「不破留寿之太夫」って「ファルスタッフ」をもじっているんですね。楽しいなー。
    ぜひ観てみたいですね。

    • そうなんですよ!普通の文楽の雰囲気と違って面白かったです。言葉使いが義太夫のまんまってゆうギャップもいいですよ(笑)

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