丸子地移動動物園の備忘録

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「義経と弁慶」がテーマ 五条大橋の対決や勧進帳!金春流 山井綱雄の公演会 第9回 山井綱雄之會 国立能楽堂[能楽・感想]

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ダイナミックで分かりやすい!能初心者にも最適な「橋弁慶」と「安宅」

国立能楽堂で開催された山井綱雄之會を観てきた。
能の橋弁慶安宅は非常にダイナミックで分かりやすく、面白い能。
誰でも知っている話だし「安宅」は勧進帳まんまだしね。
それに謡と囃子方もド派手なんだよー。楽曲としても面白いんだよね、ノリが良くて。
これなら能を観た事が無い人でも楽しめると思うなー。いやー面白かった。

義経と弁慶

能「橋弁慶」

弁慶と牛若丸が初めて出会う場面として有名な、五条大橋の戦いを描いたもの。
非常に分かりやすい能で、弁慶は長刀を振り回すアクション満載の能。
弁慶が山井 綱雄、牛若が山井 綱大と親子共演。
あの狭い能舞台で長刀をぶんぶん振り回すのは必見。弁慶と牛若丸の殺陣はなかなかの迫力だよ。

千人斬りの噂を聞きつけた弁慶が五条大橋にやってくると、一人の女が。
通り過ぎようとすると、いきなり長刀を蹴り上げられる。
その女こそが牛若丸で、まだ年端の行かぬ少年だった。
弁慶はその少年を懲らしめてやろうとするが、返り討ちにあってしまう。

その武芸に感服した弁慶は、彼の家臣になる決心をする。

狂言「八句連歌」

金を返さないシテ(狂言における主役)に金を返せというアド(脇役)。
居留守を使ったりしてなかなか現れないシテだったが、裏道でばったり。
貸し手のアドの家に引っ張り込まれたシテだったけど、趣味の歌を披露してよっと
言われて一句ひねる。
貸し手も趣味が歌なので、一緒に連歌をしようという話になって、
上手い事歌を返した借り手に感服した貸し手が借金を棒引きしてやるよというご都合主義な話。

シテの大藏 吉次郎がすっとんきょうなシテを演じ、掛け合いがテンポよく進む会話劇が面白い狂言。
趣味が高じて借金を返さなくていいってのが、なんともおおらかな感じだよねえ。芸は身を助けるってことなのかね(笑)

一調「 高砂」

謡と太鼓なんだけど、一調の場合は太鼓がメインで謡がサブなんだって。知らなかった。
本来は金春 國和の演奏だったんだけど、お亡くなりになったそうで、息子の金春 國直の演奏。
能とかの太鼓の音って独特だよね。ピーンと張ったような感じがして。

能「安宅」

歌舞伎では勧進帳。この安宅を元に勧進帳が作られた。
珍しくあんまりアレンジされてないんだよね、歌舞伎で。話の筋や展開もほぼ一緒で最後の六方が無いくらいなので、歌舞伎を観た事がある人なら大体分かると思う。

弁慶一行だけで9人、その他富樫とその従者2人、囃子方と謡も合わさってぎゅうぎゅう詰め(笑)あんなにいっぱい能舞台に乗れるのねえ。

勧進帳を読み上げる所とか、強力に化けた義経がばれそうになって、押し問答するところとか本当に迫力がある。特に、押し問答の部分では歌舞伎よりも人数が多いので、ぐいぐい押される迫力が……舞台から落ちちゃうんじゃないかと思うくらい。

頼朝に追われ奥州に逃げようとする義経一行は山伏に化けている。
途中加賀の国安宅の関にさしかかる。
その関所を抜けようと、弁慶は義経に強力(山伏の従者)の姿に化けてくれと頼む。

奈良東大寺の再建の為に旅をしていると関所の役人・富樫に告げた弁慶一行だったが、富樫の疑いは払拭できない。
そして富樫は、山伏なら勧進帳(寄付等が記された目録)を持っているはずだと詰め寄ってくる。

山伏の振りをしているだけの弁慶は、もちろん勧進帳などは持っていない。そこで、弁慶は白紙の巻物を取り出し、ろうろうと勧進帳を読み上げる。あまりにも立派に勧進帳を読み上げたので、関の人は通してやろうという事になる。

一旦は難を逃れた弁慶一行だったが、強力の姿を見た富樫の部下が、義経に似ていると言い出す。
その難を逃れる為に、弁慶は機転を利かし、義経の化けた強力をお前のせいで迷惑をかけられていると、さんざんに打ちのめす。
その様子を見た富樫は根負けして、弁慶一行を通してやるのだった。

臣下が上官を打つなんてあり得ない事だから、弁慶は義経にさんざん謝るのだが、義経は逆に弁慶の機転をほめる。
そんなことをしていると、安宅の関から富樫の使いが来て、先ほどの無礼を詫びて宴席をしたいとの誘いが。

罠かもしれないと思いつつ、酒宴に参加した弁慶一行は、警戒しつつ座興に延年の舞を舞い頃合いをみて去っていくのだった。

第9回 山井綱雄之會

平成26年12月21日(日) 14時開演
国立能楽堂

能「橋弁慶」

シテ 山井 綱雄
子方 山井 綱大
トモ 政木 哲司
アイ 大藏千太郎・榎本 元
笛   藤田 貴寛
小鼓  幸 正昭
大鼓  原岡 一之
後見  横山 紳一・大塚龍一郎
地謡  高橋 忍・辻井 八郎・山中 一馬・井上 貴覚・本田 芳樹・金春 憲和・本田布由樹・後藤 和也

狂言「八句連歌」

シテ 大藏 吉次郎
アド 宮本 昇
後見 星 廣介・中村 一路

仕舞 「采女」  富山 禮子
仕舞 「遊行柳」  高橋 汎
地謡 本田 光洋・吉場 廣明・中村一路・大塚龍一郎

一調「 高砂」
金春 安明 (金春流八十世宗家)
太鼓 金春 國和(代役:金春 國直)

能「安宅」

シテ 山井 綱雄
子方 山井 綱大
同山 井上 貴覚・本田 芳樹・金春 憲和・本田布由樹・辻井 八郎・高橋 忍
ワキ 館田 善博
アイ 大藏 基誠・大藏 教義
笛  藤田 次郎
小鼓 幸 清次郎
大鼓 亀井 忠雄 (人間国宝)
後見 本田 光洋・横山 紳一
地謡 金春 安明・吉場 廣明・山中 一馬・政木 哲司・中村一路・大塚龍一郎・荻野 将盛・後藤 和也
附祝言
トークと質疑応答
~金春安明御宗家を囲んで その四~

金春流能楽師 山井綱雄 公式WEBサイト


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