以前も観た八王子車人形、人形がバージョンアップしていた!
八王子の伝統芸能八王子車人形を観てきた。
何年か前に一度観たのだが、また観たくて。
自主公演は久しぶりらしい。
車人形は文楽から分かれた人形繰りで、本来3人で扱う人形を一人で扱うために、タイヤ付きの台車に座って、人形の右手を人形使いの右手で、頭、胴体、左手を左手で操り、人形の足は人形使いの足で操る。
今回、葛の葉を演じたのは家元の西川古柳だったのだが、人形がバージョンアップしていて、人形の頭と人形使いの頭が紐でつながっていて、人形使いが頭を動かすと人形の頭が動く。
それがなんとも自然で、ある意味文楽を超えていた。
今回の演目は、
開演前の
幕開き五人三番叟
葛の葉
釣女
東海道中膝栗毛
赤坂並木の段、古寺の段
葛の葉と東海道中膝栗毛の前半は、今では歌舞伎では演じられなくなった新内浄瑠璃で語られるのも見所だった。
新内浄瑠璃は江戸版の義太夫節で、義太夫節よりも艶っぽいために、江戸時代に歌舞伎でかけることを禁止されたもの。
東海道中膝栗毛では、前半は新内浄瑠璃、後半は女義太夫節とその違いを明確に聞き分けられるのが面白い。
新内浄瑠璃は歌う部分は滑らかな節があり、なんとなくこぶしを回すような要素がある。
確かに艶っぽい。ただ、語りは平坦な印象。
義太夫の方が言葉尻が強く、語りも歌うような語りなのね。
簡単なあらすじ
ほんとに簡単な各演目のあらすじ。
幕開き五人三番叟
開演前にお弟子さん達が演じた三番叟。
舞台に神を降ろし、足を踏むことにより、鬼を押さえつけるそう。
葛の葉
殺されそうになった狐が恩義を感じ、葛の葉姫に化けて身篭もるんだけど、子供が生まれたら、本物の葛の葉姫が来てしまいばれてしまい、立ち去るお話。その子供は安倍晴明と言われている。
凄いのは人形が、実際に筆を持って、障子に一首を書くんだよね。凄い。
釣女
元々は狂言の演目。
詳細は以前書いてるのでこっちで。
該当記事:[https://marco-g.net/blog/2013/07/01/テレクラとかキャバクラ遊びとか程々にね-釣女-そ/](テレクラとかキャバクラ遊びとか程々にね 釣女 その1[狂言][歌舞伎]
)
東海道中膝栗毛
赤坂並木の段、古寺の段
弥次喜多道中記。しかし、ひどい話だなこりゃ(笑)
卵塔場(お墓)でお化けと間違えて子供を打ってしまった弥次さんはその子供の保護者の爺さんにとっちめられて気絶、その間に身ぐるみはがされて、死に装束を着せられる。
気がついた弥次さんは自分が死んだと勘違いし、ふらふらとその場を立ち去る。
一人逃げた喜多さんはお寺に泊めてもらっていた。そこに弥次さん登場。
化けて出たと勘違いした喜多さんは、その寺にいる住職にお祓いをしてもらうことに。
しかし住職は祈祷代を払えという。
祈祷代を出し渋った喜多さんは住職の怒りをかい……
ほんとにドタバタで落ちも特にない(笑)
こんないい加減な話でいいんだ(笑)