先見の明を持ったルーカスは映画の破壊者でもあり、再生者だった?
スター・ウォーズ フォースの覚醒公開直前に発売された、スター・ウォーズの考察本、スター・ウォーズ学を電子書籍で購入。
新潮社
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スター・ウォーズの物語の考察というより、ジョージ・ルーカスの生い立ちと映画製作、当時の映画業界との関係性などが書かれている本。
なので、スター・ウォーズ本編の考察などを期待して買うと裏切られるよ。
ジョージ・ルーカスがいかにスター・ウォーズを作るにいたり、そしてそれをビジネスとして成功させたかという解説本なので、その辺の経営的な側面が知れるのは大変面白い。
スター・ウォーズは最も成功したインデペンデンス映画だというのが、ルーカスの生き様の全てを表していて、ハリウッドスタイルに処女作をつぶされて自分からそのスタイルからはじき出た、ルーカスの徹底的な個人主義が読んでとれて興味深い。
ジョージ・ルーカスがスター・ウォーズによってSFXのスタイルを破壊し、変革し、最後にはフィルム映画という映画館のスタイルすらも破壊するという豪腕っぷり。
ハリウッドメジャーに受け入れられないなら、ぶっこわして新しくするっていうのがすごい、すごすぎる。最終的にはハリウッドメジャーですらそれに従わなければならなくなってしまう現状を作ったり。
確かにここ数年で、映画はシネコンがどんどん増え、映画はデジタル化するどころか、揺れたり匂いが出たりとすごいことになってる。
その発端となったのがルーカスっていうのがすごいよね。業界のスタイルすら変貌させてしまうという、監督という範囲をはるかに超えた技量。
スター・ウォーズを観る上では、参考になることはないけど、読んでおくと背景がしれてちょっとしたり顔ができるという本(笑)であり、スター・ウォーズ好きではなくても、今の業界の体制が気に入らないよっ!という人が読んでも勇気がもらえる本だと思うよ。
まあ、ルーカスほどの才覚がないと、問題児だと思われるだけかもしれないけど(笑)