個性豊かな落語家三人の濃厚な噺を堪能!
銀座ブロッサムで開催された落語会、≪噺小屋スペシャル≫如月三枚看板 喬太郎・文左衛門・扇辰を観てきた。
2時間半の濃厚な落語会。出演は、前座で橘家かな文、柳家喬太郎、入船亭扇辰、中入りで、橘家文左衛門。
入船亭扇辰と文蔵を襲名する橘家文左衛門の熱の入り方がすごかったので、多分予定時間よりもオーバーしたんじゃないのかな?
演目は以下の通り。
橘家かな文 一目上がり
柳家喬太郎 花笩
入船亭扇辰 鰍沢
橘家文左衛門 文七元結
柳家喬太郎の花笩で爆笑を誘い、入船亭扇辰の鰍沢は熱演、橘家文左衛門の文七元結も熱演という熱い感じで終わる落語会だった。後半二人が長かったので面白かったけどなんかすごく疲れた(笑)というのも室内の温度が暑かったからってもあるんだけどねえ。
文七元結は何度も観ているし、歌舞伎でも観ているのだが、いろいろなくだりがかなり長くなっていた。例えば長兵衛が金を借りるくだりとか吾妻橋でのやり取りとか、最後のお久が戻って来るくだりとか。
文左衛門の話す長兵衛はかなりのがらっぱちで、粗野な江戸っ子風が文左衛門にあっている。強面なんだろうけど、どこか憎めない感じ?
噺家によって登場人物の印象が変わって面白いよねえ。
花笩、鰍沢は両方とも初めて聴いた噺。
花笩はお調子者の提灯屋が病気の大関に似ているからといって大関の振りをして巡業に出るという噺。
実際に相撲は取らず、座っていればいいといわれたので、付いて行ったのだが最後の最後で取り組みをしなければならなくなり……
ともかくひたすら馬鹿馬鹿しくて面白い、爆笑ものの噺でした。
鰍沢は参詣を済ませた旅人が雪山で道に迷い、大雪の中助けを求めて入った家で毒を盛られ、命からがら逃げ出す噺。
扇辰の囲炉裏で暖をとる所作がリアル過ぎてねえ。本当に凍え死にそうで、本当に芯から温まる感じが出ていて、落語家の凄さを感じた。
三者三様、なんとも濃いー落語会でした。