4月歌舞伎座の目当ては幸四郎の「不知火検校」!やっぱり悪くて面白い!
先月に引き続き歌舞伎座で歌舞伎鑑賞してきました。今回は昼夜通し。10時に始まって終わるのが21時過ぎという……
しかし、4月は坊主祭りだよねえ、親子で坊主って(笑)
見たのが2日目だったので、まだまだ怪しいところがあったりした(笑)
昼の部の並びが不知火検校からの身替座禅って、タイムリーに乙武さんの皮肉か!っと思ってしまうような内容でした(笑)
不知火検校、目が見えない障害者という立場を利用して、悪いことをやりまくり、権力の最高峰まで上り詰める話だからねえ(笑)
そして身替座禅は、身代わりを立てて浮気先に行く話。まんまそうじゃーん!(笑)今も昔もやることは一緒なわけですよ、ほんと。
松寿操り三番叟(まつのことぶきあやつりさんばそう)
染五郎が三番叟を踊る操り人形役。とても素晴らしい人形の踊りでした!
単に踊りが上手いだけではなく、片足でくるくる回ったりと身体能力も必要な踊りなんだけど、染五郎は安定感があって、人形っぽい動きもあり素晴らしいねえ。
不知火検校(しらぬいけんぎょう)
お目上げの不知火検校。いやー、やっぱり悪くてかっこいい幸四郎。以前も見たけど、幸四郎のハマり役だと思うんだよねえー、悪そうなところとか(笑)
詳しい話は以前のブログで。
該当記事:新橋、九月大歌舞伎、「不知火検校」はガチで面白いから観た方がいい(あらすじ)
不知火検校は本当に同情の余地のない悪なんだよね。こんだけ悪い奴も珍しいというくらい悪い。子供の頃から手癖が悪くて、あんまで入ったお客の財布を盗んだりしちゃんだもん。
だけど周りの人間は彼が目が見えないということで、条件もなしに警戒せず安心してしまう。だから簡単に騙されるし、殺されてしまう。
ああ……どっかで最近見たような話だって見ながら思ってしまった(笑)まあ、殺しはしてないけどさー。名誉とかお金とかねえ(笑)
相手が障害者だということで、なぜか性善説を信じ込んでしまう。その傲慢さに検校は付け入るのだ。弱者を装いつつ、健常者よりも頭が良く、誰よりもしたたか。
それは検校の悪事がバレて、ひき回しにされるラストの台詞で語ってくれるんだけど。
お前らに見えてるものが俺には見えない、だからこそ見えるものがあるんだっ!という感じで。それは、人が表面的にかぶっている善人の仮面。そしてその裏にあるどす黒い欲望。
ひき回しにされるラスト、それまで偉い偉いと騒いでいた町の人たちが、検校に向かって罵声を浴びせ、石を投げる。
まるで、これまでtwitterで乙武さんを賞賛していた人が急に批判し始めたよう(笑)勝手に良い人、弱い人、頑張ってる人という印象を裏切られたということで。
新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
最後は身替座禅。元は狂言のお話で狂言では花子という。
仁左衛門の殿様役はかわいらしくてよかったです。逆に左團次の山の神(奥さん)はメイクもちょっと大人しめで、もっとブサイクでもよかったなあと(笑)
あらすじなどは以前のブログで。
該当記事:浮気男は今も昔も同じ 花子[狂言]、身替座禅[歌舞伎]
人を巻き込んでまで浮気をしたいという……これもどっかで聞いた事ある話だよねえ、最近(笑)
四月大歌舞伎
平成28年4月2日(土)~26日(火)
一、松寿操り三番叟(まつのことぶきあやつりさんばそう)
三番叟 染五郎
後見 松也
二、不知火検校(しらぬいけんぎょう) 浜町河岸より横山町の往来まで
按摩富の市後に二代目検校 幸四郎
生首の次郎後に手引の幸吉 染五郎
奥方浪江 魁春 指物師房五郎
三、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
山蔭右京 仁左衛門
奥方玉の井 左團次