中村芝翫 襲名披露公演、芸術祭十月大歌舞伎、夜の部を観てきた[歌舞伎・感想]
四人同時襲名!ついに橋之助が芝翫に!
中村芝翫 襲名披露公演、芸術祭十月大歌舞伎、夜の部を観てきた。
とりあえずざっくりとした感想。
一、歌舞伎十八番の内 外郎売(ういろううり)
歌舞伎十八番の外郎売の曽我五郎を松緑主演で。
父の仇である工藤祐経を付け狙う曽我五郎が、外郎売りに身をやつし休息をしている工藤祐経たちの前に現れる。
ばれないように外郎売りのフリをするため、朗々と妙薬である外郎の故事来歴や効能を立て板に水のごとく披露する。
口の滑りが良くなるのも外郎の効能の一つなんだよね。で、
なんであんまり滑舌の良くない松緑が外郎売りなのか(笑)
がんばってはいた気もするけど、やっぱり滑舌が悪いよなあ。早口言葉はかすれて聞き取りにくいんだもんねえ。
確かに言えてることは言えてるんだけど、立板に水とはいかないよなあ。聞き取りづらいんだもん(笑)
二、八代目中村芝翫、四代目中村橋之助、三代目中村福之助、四代目中村歌之助、襲名披露 口上
進行役がまたも滑舌の悪い藤十郎という(笑)
例の不倫騒動を茶化していいのは、菊五郎さんか(笑)まあ、こうゆうことを笑いにするのは大事なことなんだろうけどねえ。
三、熊谷陣屋(くまがいじんや)
今年熊谷陣屋を何回見たんだろうかって感じで。9月に通し狂言 一谷嫰軍記で見たりしてるわけだし話は大体わかってるんだけどね。
今回は47年ぶりとかにやる芝翫型だそうで。普段やっているのは團十郎型。最後に熊谷直実がひとり花道を去っていくやつね。
芝翫型はなんとも和気藹々な終わり方(笑)で、全員揃って幕引きとなるあたり、文楽に近いんだよなあ。
なんかわりとすぐに「十六年は一昔、夢だ夢だ」とさらっと言っちゃうのがねー。熊谷の悲哀は團十郎型のがあるよねえ。
ハッシー改芝翫となったら、もう熊谷陣屋は芝翫型しかできないのかな?ハッシーは團十郎型のが合ってそうだけどねえ。
文楽と違って、みんながみんな現状を語っちゃうのがなんとも(笑)
息子の 首だと分かった相模が、熊谷との出会いのエピソードを藤の方に語っちゃうし、弥陀六もいきなり自分語り始めちゃうし。
まあ、通しじゃないとなんでそうなのか分からないからなんだろうけどねー。
四、藤娘(ふじむすめ)
藤娘は玉三郎。久々に玉三郎を観た気がする。
藤娘は玉様が引っ込んでる間の三味線がすげーかっこいいよなあ。オルタネイティヴロックのようなうねりがあるんだよね。
複数での演奏だけど、いわゆるギターソロみたいな感じなんだよね。グルーヴ感半端ねえ(笑)
全体的に楽曲が今風でかっこいいんだよなー。なんかギターでアレンジとかもできそうな感じ。
玉様はお美しい。けど、疲れているような様子もちょっとあったりで。まあ、もうすぐ千秋楽だしねえ。