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忠臣蔵エピソード2の感想その1。ダメ男と貢ぐ女、おかる勘平「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」第二部・国立11月[歌舞伎・感想]

仮名手本忠臣蔵

残念な子・勘平と本気で遊んでるんじゃないの?と思わせる由良之助

国立劇場にて通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら) 第二部を観た。

仮名手本忠臣蔵

有名なおかる勘平一力茶屋。単独でも公演できるくらいなので、長い長い。おかる勘平で2時間弱、一力茶屋で2時間弱だもん。

観る方も疲れるよ(笑)

改めて観てみると勘平って残念な子だよねえ(笑)

ほぼ、自分のせいだもんな、あれ。そもそも職場放棄しておかるとキャッキャしている間に塩治判官が人情おこしちゃうし、誤射で人撃っちゃうし、暗闇に紛れて死体から金くすねちゃうし、先走って腹切ってかっこつけちゃうし……

改めて書くとろくなヤツじゃないな(笑)

ピッチピチだったおかる(五段目、六段目は菊之助)も最後にはそりゃ老けるよね(七段目は雀右衛門)。

七段目は一力茶屋。由良之助は吉右衛門

今回の吉右衛門はいい吉右衛門だった(笑)やっぱり由良之助とかやるときはシャンとするのかねえ。

ここ数年、どーにも波があるよねえ、吉右衛門。やる気のない感じとかあるもんなあ、中日とかだと。

やる気があるときは素晴らしいんだけどねえ。

あらすじ感想は長くなったのでおかる勘平の部分まで。

#大筋とはまったく関係のないエピソード「おかる・勘平」

歌舞伎としては有名だけど、忠臣蔵の話としてはまったくの創作だし、創作だとしても大筋とはまったく関係ない話なんだよね。

最初は道行と言われている浄瑠璃。ようはおかると勘平がおかるの田舎に逃げてる間の話なんだけど、危機感なくキャッキャウフフと盛り上がってるんだとねえ。

見事なバカップルっぷりで、こいつら……大変なことになってるのによーと軽くイライラする(笑)

五段目はおかるの田舎での話。

猟師になった勘平は、狩りの途中で仇討ちの同志集めをしている千崎弥五郎に会う。

同志に加わるために支度金がいるとのことで、金の工面を考える勘平。

暗くなって帰る道すがら、大きなイノシシが。どーみてもゆるキャラのイノシシが。グッズ化してほしいイノシシが(笑)

それを鉄砲で撃つ、勘平。イノシシにヒットした確かな手応え。

近くに行ってイノシシを回収しようかと思うとどーも手触りが違う。どう考えても人の足……

慌てて薬がないか胸元を探ると、そこには金の入った胴巻きが。どうしても金が必要な勘平はその胴巻きをくすねる。えー!くすねちゃうの!?

もうその時点でダメな子だよねえ、勘平。

家に戻ると勘平の金の工面のために、身売りをするおかるが準備をしている。

話を聞いていると、前金を払って先に戻ったおかるの父親、与市兵衛がまだ戻っていないとのこと。

金を渡した一文字屋お才は、同じ胴巻きを持っているはずだと言う。

勘平は、ふと思いったって懐の中の胴巻きを見てみると一文字屋お才と同じ柄の胴巻きが!

つまり、イノシシと間違って撃ってしまったのは、おかるの父親、与市兵衛!

しどろもどろになりながら、売られていくおかるを見送る勘平。

おかるがいなくなった後、与市兵衛の遺体が運ばれてくる。動揺する勘平。

その様子を不審に思ったおかるの母、おかやは勘平を問い詰める。その拍子に胸元から胴巻きが

これはなんだと責めるおかや。もしや、親父様を殺して金を奪ったのでは?と責めまくる。

勘平は言い訳もしようがなくただただうなだれるばかり。そんな中タイミング悪く、千崎弥五郎たちが現れる。

おかやに責められ、またそんな不忠者は仇討ちに参加する資格なし!と千崎弥五郎たちに言われ、進退窮まった勘平はその場で腹を切る。

ふと思い立ち与市兵衛の遺体を確認する千崎弥五郎たち。その遺体の傷は鉄砲傷ではなく刀傷が!

実は与市兵衛は帰宅の途中に斧定九郎という悪人に襲われて殺され、金を奪われていた。そして勘平が間違って撃ったのは斧定九郎だったのだ。

敵討ちじゃないかー!と考えを改めた千崎弥五郎たちは、連判状に血判を押すことを許す。

いや、ちょっとまってくれよ。確かに結果敵討ちだけど、目先の仕官に目が眩んで、死骸から金を奪ったんですよ?勘平?それいいの?(笑)

「色にふけったばっかりに」

と名台詞を言いながら絶命する勘平だけど、いやいやいや!そうじゃないからっ!

目先の欲に流されすぎだから!とか色々突っ込まずにはいられない話だよねえ、これ。

通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」第二部

国立劇場
2017年11月

浄瑠璃 道行旅路の花聟

清元連中

五段目 山崎街道鉄砲渡しの場

同   二つ玉の場

六段目 与市兵衛内勘平腹切の場

七段目 祇園一力茶屋の場

早野勘平 中村 錦之助

腰元おかる 尾上 菊之助

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