今年の落語初めは立川談春!圧倒的な話術と丁寧な噺
先日、品川プリンスホテル クラブeXで開催された立川談春 新春独演会「居残り佐平次」を聴いてきた。
いやー、すごく面白かった!談春の落語は初めて聴いたけど、すごいね!まずはその長さ(笑)
18時半開演で終わったのが21時半。お弟子さんが2人前に噺をしてるけど、厩火事で40分。居残り佐平次で1時間くらい。
確かに長い噺なんだけど、最後まで飽きさせないその話術がすごいんだよねえ。
そして飽きさせないだけでなく、徹底した親切さ。分かりにくい言葉なんかはちゃんと説明してくれたりするし、登場人物のキャラわけや情景描写も徹底している。
居残り佐平次なんて登場人物がものすごく多いのに、どれが誰なのかすぐわかるという徹底した人物造形。
いやー。本当にすごい。人気があるのも分かる気がする。どれだけ落語を愛してるんだろうねえ。
高座に上がると人が変わるというか。だって、最初出てくるとき伏し目がちで出てくるんだもん(笑)客席とか全然見ないから不機嫌なのかと思った(笑)
それが一度ならず二度目も(笑)
それにしても立川流はマクラで弟子のダメ出しをするのが恒例なのかねえ(笑)立川談笑の落語会を見たときも、前に話した弟子のダメ出しをマクラでしていたし(笑)
談春の噺は「厩火事」と「居残り佐平次」
厩火事は働かない旦那に愛想をつかした髪結いの女が仲人に相談する。
仲人は孔子の故事を話す。その内容は孔子が大事にしている白馬が孔子が不在の時に火事で焼けてしまう。
弟子たちは孔子に責めれられると思ったのだが、孔子は弟子の心配をし、白馬が焼けてしまったことを責めることはなかった。
未練のある女房は、その話を元に亭主を試すことにする。
それは亭主の大事にしている瀬戸物のかけらをわざと転んで壊してみるというものだった。
その結果は亭主の出した答えは?
そして公演のタイトルにもなっている居残り佐平次。
舞台が品川宿ということで、今回の公演にちなんでるのかな?
品川宿は江戸の入り口として吉原よりはランクが落ちるもののカジュアルな遊郭として大変盛り上がってた。
とある遊郭に5人の男たちが現れる。ひとりの男は佐平次。
代表の佐平次は遊郭の世話役であるおばさんに「他の四人はさる顔役で金はたんまり持っているから最上級のもてなしをしてくれ」と言う。
言われた通りに最上級のもてなしをする遊郭。
実は4人は大した金もなく初めて品川に遊びに来た者たち。遊郭に来る前に入った飲み屋で佐平次にタダで遊べると声をかけられたのだった。
散々遊んだ朝方、他の4人には金は俺が払うから先に帰ってくれと告げる佐平次。
金もないのに取り残された佐平次は、この状況をどうするのか?
当時の品川の様子や廓の状況などをきっちり説明した後に話をするから、どうゆう状況なのかがすごくわかりやすい。
そして、サゲ。
当時のサゲとは違い、立川談志が創作したサゲを今回やったのだが、それの説明も最後にきっちりする、談春。
聴き比べると談志のサゲの方が粋でスッキリ終わってるねえ。その話を聞くと談志ってやっぱり落語愛がすごくて勉強家だったんだなあ。
俺が子供の頃は奇行ばっかり目立ってたけど(笑)