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ファッションデザイナー・ドリス・ヴァン・ノッテンのドキュメント映画「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」(映画・感想)

2月中で終わりそうなので、新宿武蔵野館にてファッションデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテンのドキュメンタリー映画、 ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男を観てきた。

公式サイト:http://dries-movie.com/info/?page_id=5

映画の構成は、パリのグラン・パレで開催された2015春夏レディースコレクションから、オペラ座で発表した2016/17秋冬メンズコレクションの本番直後までの1年間を、過去のショーを時系列でドリスが振り返りながら、製作の様子やプライベートを見せて行くというもの。

形式上ファッションデザイナーと書いてしまったけど、ドリスはファッションという言葉を、一時的な流行にとらわれた言葉として、そう呼ばれることを好ましいとは思っていないと冒頭1発目で言っていた。

かといってアート寄りではなく、上質で丁寧な作りの、長く着られるものを目指しているようで、昨今奇抜になりがちなコレクションも、落ち着いて現実的なものラインが多い。まあ、柄オン柄なものもあるので着る人選ぶけど(笑)

ドリスの服に対するこだわりの一片はこの辺りが根底にあるんだろうね。

物静かだけど頑固そうで、何につけても頭の中で予定表を作っているというドリスは、仕事はもちろんのこと、プライベートでもきっちりちゃんと生きている感じ。

休暇のエピソードを語っていたけど、休暇なのにきっちりとした予定表を作っているそう。

だってそれの方がたくさん見られるでしょ?といたずらっぽく語っていたけど、付き合える人は限られそうだなあ(笑)

まあ、長年のビジネスパートナーであり、恋人でもあるパトリックがその辺理解してるから成り立ってる部分はありそう。

お城みたいな自宅を花で飾り、きっちりとした生活を送ってる感じとかもね。

生地と柄、刺繍にこだわりを持つドリスは、刺繍に関してはインドの工場を持っていて、その職人を絶やさないために、コレクションには必ず刺繍ものを入れるらしい。

低迷した時期には、巨大企業体に買収されそうになったけど、それを拒んだ理由の1つなんだろう。

なんでも効率化すればいいというものではなく、残さなければいけないものは、残すという考え方とこだわりが、消費としてのファッションではなく、文化としてのファッションへの取り組みなんだろう。

そうは思いつつ、それを実践できる人は限られるわけで、アイリス・アプフェルが「彼は稀有の存在で、すでに彼しか残っていない」と言っている。

商業主義の蔓延するファッション業界では、それを実践できる地力と根気を持っている人自体が、もう少ないのかもね。

ともかく観てよかった映画。

とりあえず創作をするためにも、少し丁寧に生活しようって気持ちになりました(笑)

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