アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタインなどポップアートの代表作を観られる展示
新国立美術館で開催されている『アメリカン・ポップ・アート展』を観てきました。
ポップ・アートとは、1960年代に盛んになった大量生産・大量消費の大衆文化を主題とする一連の芸術動向を指します。この語が最初に登場したのは、1950年半ばのイギリスにおいてであり、身の回りにある大量生産の商品やそれらに囲まれた日常生活を題材とした作品が次々に生み出されました。イギリスで誕生したポップ・アートは、アメリカにおいて花開くこととなります。第二次世界大戦後のアメリカは、まさに大量消費社会でした。テレビやラジオなどマスメディアの普及によって商品や広告のイメージが氾濫し、ハンバーガーやコカ・コーラといった商品はアメリカの代名詞として世界中に広まっていきました。アメリカのポップ・アーティストたちは、商品のイメージやオブジェ、また新聞、漫画、広告といったメディアの手法自体を取り入れることで、自らを取り巻く社会やそこでの経験をそのまま作品に表そうとしました。それは、前世代の抽象表現主義が作品を崇高で難解なものとし、作家を英雄視したのに対し、複製物や日用品を用いることで、作家性を匿名化し、芸術を卑俗な生活と結びつけるものでした。
アメリカ合衆国コロラド州を本拠地とするジョン・アンド・キミコ・パワーズ夫妻がコレクションしたというポップアートの数々。実生活で家に展示してある物も多数あるという。こうゆうアートに囲まれた生活っていいなー。
途中、キミコ・パワーズ婦人が語る、ポップアートの紹介ビデオが面白かったなー。各作家と交流があったようで、それぞれの作家のキャラクター話がね。アンディ・ウォーホルは気さくな人で、なんでもサインを書いてくれるとか、ロイ・リキテンスタインは女性の好みが作品の様な金髪ブロンドが好くで、結婚した人がまったく絵に出てくる様な人だったとか(笑)
展示はアメリカンポップアートの代表者を作歌別に展示。ロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズ、クレス・オルデンバーグ、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、トム・ウェッセルマン、メル・ラモス、ジェイムズ・ローゼンクイストという流れ。
アンディ・ウォーホルはメインの展示となっている『200個のキャンベル・スープ缶』が圧巻。その他にもマリリンの展示や毛沢東など、代表的なものが多数展示。
ロイ・リキテンスタインは例の金髪美女シリーズ以外にも漫画的な表現を排したものなどもあってなかなか興味深い。キミコ・パワーズがビデオで語っていた様に、ロイ・リキテンスタインは漫画的な表現を排除しても、作品作品に必ずそのスタイルが反映させていた。
その他にもクレス・オルデンバーグの彫刻?『ジャイアント・ソフト・ドラム・セット』という、ドラムセットがぐにゃりと溶けた様な作品とかが面白い。「こんなドラムセットは弾けないだろ?」というシャレの様な作品なのだが、緻密な下書きとかが多数有るのがね。シャレもマジでやるみたいなノリが。
個人的には知らなかったアーティストなのだがトム・ウェッセルマンという作家。なんというかテーマが分かりやすい。明るくポップな色彩と構成で、もーなんか『おっぱい』を描きたいと思った時期がきっとあったんだろうなーと感じてしまう様な作品が(笑)
あるよねー、男ならあるよねー。もー、おっぱい描きたくって仕様がない時期ってあるよねー(笑)トム・ウェッセルマンの作品を追ってみたくなった。
ポップアートは現代アートの過渡期に現れた大衆的でマスメディアや広告などを皮肉った作品。アメリカがアメリカとして輝かしい時代に成りつつあり、大量の消費と溢れんばかりの情報、物質的にも精神的にも表面的には恵まれた状態になりつつも、何故か感じる空しさみたいなものを体現している様に思える。
作品としては分かりやすくて視覚的にも強調された物が分かりやすくて好き。その手法は未だに使われてるし。洒落と酔狂ってのが根底にあるのかもね。