藤田和日郎のホラーアクション節炸裂!
双亡亭壊すべし、3巻が出ていたので購入。
3巻になってようやっと双亡亭の中での話になってきた。
そして、ただの絵描きで主人公の凧葉の重要性が語られるように。
入ったものはおかしくなったり、出てこられなくなったりしてしまう謎の館、双亡亭。
戦闘機による空爆でも壊せない謎の館、双亡亭を壊そうとする人たち!
双亡亭を壊すために総理と防衛大臣になったものや、45年の飛行機事故から生還をした少年で、手がドリルになる謎の少年青一。そして、紅の弟で双亡亭の中で父が行方不明になった録郎。
皆望むは双亡亭壊すべし!
2巻で散々曲者たちが登場したのに、わりとあっけなく双亡亭の罠にはまってしまって(笑)、どうなるの?と思ったら凧葉の大活躍で見えてきた双亡亭の謎の一端。
いやー、さえない主人公が、急に格好良くなるのを書かせたらピカイチだよなあ、本当。
ヒロインの巫女、紅やそのほかの妖怪退治のエキスパートも武力は桁外れだけど、双亡亭の心理的トラウマをえぐるような罠には抵抗するすべもなく、どんどん取り込まれていってしまう中での打開だからなねえ。
しかも、絵描きであるという利点がここに来て効いてくる。
双亡亭を作った坂巻 泥努の心理に共感できたのも凧葉だけだったしね。
藤田和日郎の漫画って、守られるべき弱い立場の人間が、実はとてつもない強さを持っていて、それがどっちかっていうと気持ちの強さっていうのが良いよねえ、燃える!
武力で強くなった人たちは、何かしら心の弱さを持っていて、それをごまかすために強くなったという感じがね。
双亡亭はそこにつけ込むって言うのがいやらしい。そして怖い。
うーん、話がどんどん面白くなる-!
手がドリルになって、双亡亭の攻撃を防げる青一と同伴する録郎が話のメインに出てきてないので、全員集まったらすごいことになるんだろうねえ(笑)