「苛めっ子」から「苛められっ子」に変わった主人公の贖罪
子供の頃というものは、世間的なモラルや慣習とは違った法則で動いている。
そこには障害を持った者への理解とかそいゆうものなどはなく、ただ人とは違う「変わった子」であるという事だけだ。
ある意味、偏見なく「区別」する。それがだんだんと「差別」になっていくのだが。
日常に退屈している主人公「将也」耳の聞こえない少女「硝子」をふとしたきっかけでイジメだす。そのイジメは、耳が聞こえないが故に音痴で、合唱コンクールでは散々な結果であったとか、そうゆう日々のちょっとした不満が発端であり、クラスの総意でもあった。
執拗なイジメに対しても、屈託のない「硝子」。その態度に対してイライラする「将也」。
だが補聴器が何度も壊される事が明るみになり、その総額が170万であることが問題になってから、クラスの雰囲気は一変した。高額な賠償を示唆されたことによって、「将也」1人をイジメの首謀者として吊るし上げたのだった。
イジメの仲間だったクラスメイト達は一転して「将也」を追求する側に。親友だと思っていた友人達も。
「硝子」が転校した後も、「将也」に対するイジメは続く。
イジメの相談を教師にすると教師は一言「因果応報だ」ですませてしまう。
結局イジメは卒業まで続き、中学、高校も元同級生のイジメの噂によって孤独な日々を過ごす事に。
人の事が信用できなくなり、死をも覚悟する「将也」。
死ぬ前に片付ける事として、かつてイジメた「硝子」に会う事を決意する。
死ぬ事を決意していた「将也」だが「硝子」に会う事によって止まっていたものが動きだし…
イジメの描写が中心な1巻は読んでいて辛い。本当に辛い。2巻になり、2人への救いが見えてきて、ホッとする。「将也」と「硝子」はどうなっちゃうんだろうかねえ。
元々は読み切りで、リメイクされ長編になった漫画らしいので終わりは何と無く決まってるんだろうけど、最後はなんか…うまくいってもらいたい、そんな気持ちにさせられる漫画だ。