改装工事に入る国立劇場で、文楽最後の公演ということで第二部を観てきた。
第二部は、
寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
通し狂言 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
四段目
北嵯峨の段
寺入りの段
寺子屋の段
五段目
大内天変の段
五段目の大内天変の段は初めて観るなあ。
三番叟の中ではノリは一番好きだなあ、「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」
寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)は何度も観てるんだけど、歌舞伎、能楽と観たけどノリは一番好きだな。
特に最後の三番叟がね。三味線の繰り返しのグルーヴ感がたまらないのよ。人形の踊りも途中疲れてぐったりした後はやけくそになったように踊り狂うし。
文楽を好きになった演目の一つだから、国立最後にまた観られてよかった。
子殺しで有名な寺子屋の段。通し狂言 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)四段目、五段目
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)は先月から色々な段をやっているけど、観るならやっぱり寺子屋の段かなーと。第一部の車曳の段も観たかったんだけどね。
さすがに通すには疲れるのでやめました。
菅原伝授手習鑑は陥れられた菅原道真の周りで起こる復讐群像劇。その中でも、寺子屋の段はメインイベントの一つで、菅原道真の息子、菅秀才が預けられた寺子屋に、それを捜索する手配がまわる。
御触れは菅秀才の首をはねることで、匿っていた道真の元部下、源蔵は身代わりを立てることを考えるが、寺子屋には身なりのいい子供などはいないので、身代わりになりそうな品のいい顔立ちの子供がいない。
悩む源蔵だが、いいタイミングでちょうどその日に新しい子が入ったと妻に言われる。
その子は品のいい顔立ちで育ちも良い。ということで、その子を身代わりに首を跳ねることとした。
そうこうしているうちに、首実験のため、敵の藤原時平の部下、松王丸と春藤玄蕃がやってくる。
菅秀才の顔を知っているのは、松王丸のみ。
祈るような思いで、菅秀才の首を差し出す源蔵。
松王丸はその首を間違いなく、菅秀才のものだといい、春藤玄蕃は嬉々としてそれを持ち帰った。
二人が立ち去った後、安堵する源蔵の前に身代わりとなった母親が現れる。
母親が寺子屋の中で子供を探す背後から、襲い掛かろうとする源蔵。刀を避けた拍子に母親の手に持った箱が割れ、その中には白装束とお経が入っていた。
そしてその場に現れた一人の男。それは松王丸だった。
驚く源蔵たちに、真相を語る松王丸。なんと、身代わりで死んだ子供は松王丸の子供だった!
なぜ、敵の子供を身代わりとしてよこしたのか?そして首実験の際嘘をついたのか?の真相を語る。
五段目、大内天変の段は初見。敵の時平は道真の雷と、桜丸の怨霊に倒される
そして、五段目、大内天変の段。
内裏では天変地異か雷が鳴り止まない。その祈祷の最中、判官代輝国が斎世親王、苅屋姫、菅秀才を連れて参内する。
そこにいた時平と部下に、一時捕まる菅秀才。しかし、捕らえようとした部下は雷に打たれ死に、時平もまたそこに現れた桜丸と八重の亡霊にまとわりつかれ、呪われる。
苦しむ時平の前に現れた菅秀才がとどめを刺し、ついに道真の仇をうったのであった。
初めて、大内天変の段を観たけど、割とド派手な演出で面白かった。桜丸と八重の亡霊が桜を持って、時平を幻惑するシーンとか演出が凝っていて面白い。
昭和47年以来の再演だそうで、何でこんなに長い間やらなかったんだろ?結構面白い段なんだけどなあ。
国立劇場に来るのは最後になるのかなあ?
というわけで、色々とお土産を買っちゃいました。
まずは、切腹もなか。
あんこたっぷりで美味いんだよね。以前は忠臣蔵の時だけしか売ってなかったけど、今では常駐してた(笑)
有田焼のワンカップ。国立劇場のマークがついてる。お高かったけど、最後だしねえ(笑)
文楽名鑑2023。これ、面白いです。太夫、三味線、人形遣いの方々のプロフィールとか以外に趣味とかがアンケートで載ってる。それ以外にも自己申告の能力チャートとか遊びがあって面白いですよ。
国立劇場での公演がしばらくないのは寂しくなるなあ
歌舞伎座よりも、お手軽な価格で、しかも通し狂言や文楽をやってくれるということもあって、古典を観るなら国立って感じだったんだけど、5年くらいここで観られ無くなるのは寂しくなるなあ。
特に文楽は東京公演はどうなるんだろ?パンフ買ったら色々ところでやるみたいだけど、車でいける場所とかではないだろうな。
国立は立地が最高なのに、駐車場がちゃんとあるのがほんと、よかったんだよね。特にコロナ禍になってからは、電車乗るの嫌だったからさあ。
歌舞伎座はいいんだけど、見取り狂言ばっかで通しはないからね。
忠臣蔵を朝から晩まで観たのはいい思い出(笑)でも、やっぱり歌舞伎も、文楽も通しで観る醍醐味ってあるからね。
復活楽しみに待ってます。